セルジオ・ペレス「ついにレッドブルF1マシンが理解できた」
セルジオ・ペレス（レッドブル）が、2021年は新しいチームに慣れるのに時間がかかったことを認めながらも、2022年も引き続き向上を目指していくと語った。
メキシコ出身ドライバーであるペレスは、2020年まで所属していたレーシングポイント（現アストンマーティン）との間に2022年までの契約を結んでいた。そして、2020年にはドライバーズランキング4位という好成績を収めている。
だが、同チームが2021年にフェラーリからセバスチャン・ベッテルを迎え入れることになったことから、ペレスは2020年シーズン限りで契約を解除されることになってしまった。
しかし、ペレスは幸いにも、マックス・フェルスタッペンのチームメートとして苦戦を強いられていたタイ国籍ドライバーのアレクサンダー・アルボンの後任として、2021年にはレッドブルのフルタイムドライバーとなるチャンスを手にすることができていた。
ところが、11年目のF1シーズンを迎えたベテランドライバーのペレスにとっても、レッドブルのマシンに慣れるのはたやすいことではなかった。
シーズン序盤には予想以上の苦戦を強いられたペレスだったが、フェルスタッペンがタイヤトラブルでリタイアし、メルセデスのルイス・ハミルトンとバルテリ・ボッタスもポイント圏外に沈むという波乱の展開となった第6戦アゼルバイジャンGPではチャンスをものにしてレッドブル移籍後初となる自身F1キャリア通算2勝目をあげることに成功。
ペレスは続く第7戦フランスGPでも3位表彰台を確保したものの、その後はまたフェルスタッペンのペースになかなかついていくことができず、チームの期待に応えることができない日々が続いていた。
そのペレスは、レッドブル・ホンダF1マシンで戦った2021年シーズンを振り返りながら次のように語った。
「それまでのキャリアを通じて走らせてきたクルマと比べると、非常に異なる哲学のクルマだったという事実を考慮しなければならないよ」
「その点では適応するのに時間がかかってしまったけど、すごく違うクルマ、すごく違うエンジンだったんだ。新しいチームに来て学ぶべきことがたくさんあったんだけど、基本的にテストはできなかったしね」
実際のところ、2020年に新型コロナウイルスの影響を受けてF1チームが財政的に大きなダメージを受けたこともあり、F1では2021年には原則として2020年型マシンを使用することに加え、プレシーズンテストもわずか3日間に縮小されていた。
「最初のレースの前に（テストを）1日半やったけど、初日は空力関係の作業だったんだ。だから、僕は最初のレースの前には何もやっていなかったよ」
「すごくたくさんのことを考慮する必要があるけれど、全体として見れば、前途有望なシーズンだったと思うよ」
「もちろん、もっと多くを望んでいくつもりだったけど、それが現実だよ。僕はただ頑張り続けるしかないよ」
そう語ったペレスは、今年はチームと一緒にさらに向上していくことができるはずだと次のように付け加えた。
「いいこともあったし、悪いこともあったけれど、僕たちが長く一緒にやればやるほど強くなっていくはずさ」
しかし、ペレスも2021年シーズン後半にはだいぶレッドブルF1マシンにも慣れてきていたのは事実だ。ペレスは第16戦トルコGPから、第17戦アメリカGPをはさんで、母国で行われた第18戦メキシコGPまで3戦連続で3位表彰台に上っている。
コンストラクターズタイトルには手が届かなかったレッドブルだが、最終戦でフェルスタッペンが劇的な形でハミルトンを破って初のドライバーズタイトル獲得に成功した背景には、ペレスのいい働きがあったのも確かだ。
最終的に2021年シーズンを前年と同じドライバーズランキング4位で終えたペレスは、レッドブルでの最初のシーズンを振り返って次のように締めくくった。
「いろんなことを試し、ただ頑張り続けたよ。今では、ついに（レッドブルの）マシンをどう走らせればいいか、どうすれば最大限の力を引き出せるかが理解できている。結果がかなりよくなったのはそのためだよ」。
新たな技術レギュレーションが導入され、昨年までとは大きく異なるF1マシンとなる2022年シーズンはまた一から新しいマシンへの適応を目指すことになるわけだが、それはどのチームのドライバーにとっても同じ条件だ。
ペレスが新しいマシンで迎えるレッドブルでの2年目のシーズンにどういうパフォーマンスを見せるのかにも注目していきたいところだ。
