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アブダビでのF1レースディレクターの判断は「正しかった」とバーニー・エクレストン

2021年12月14日(火)18:38 pm

元F1最高責任者のバーニー・エクレストンが、さまざまな議論を呼んでいるF1レースディレクターの判断を擁護した。

FIA(F1統括団体の国際自動車連盟)のF1レースディレクターを務めるマイケル・マシが、先週末に行われた2021年F1最終戦アブダビGP決勝終盤に起きたクラッシュでセーフティカーが導入された際、少々無理とも見える形でファイナルラップにレースを再開させるという決定を下していた。

その結果、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が土壇場でルイス・ハミルトン(メルセデス)を逆転して初のF1チャンピオンに輝いたわけだが、その結果を生むことにつながったマシの決定がさまざまな方面から非難されるという状況になっている。

だが、エクレストンは、この件関してドイツの『Bild(ビルト)』紙に次のように語った。

「正しい結果の素晴らしいレースだったよ」

「マックスにはその資格があるし、メルセデスとハミルトンの支配が続いた後に新たに若いチャンピオンが誕生したのはF1にとってもよいことだ」

しかし、エクレストンも、マシが率いるF1レーススチュワード(競技委員)たちが今年行ったいくつかの判断やペナルティの決定方法に問題があったのも確かだと考えている。

「多くのケースにおいて、彼(マシ)はシーズン全般を通じて自分の仕事に圧倒されていたし、彼はその仕事をするべきではなかったのかもしれないね」

「だが、最終的には、彼は最終ラップでルイスとマックスを再び競わせるという正しい判断を下した。これほどのシーズンをセーフティカーで終わらせるのはフェアではなかっただろうからね」

「ハミルトンがF1チャンピオンになっていただろうし、ファンのみんなは『このバカなスチュワードたちは何をしているんだ?』と言っていただろう。いや、彼はこのケースでは正しいことをしたんだ」

元F1ドライバーのデビッド・クルサードもエクレストンと同じ考えのようだ。かつてマクラーレンやレッドブルで戦ったこともあるクルサードはフェルスタッペンの母国オランダの『Ziggo Sport(ジッホ・スポルト)』に次のように語った。

「マシとFIAは、この選手権がセーフティカーの後ろで終わることを望んでいなかったんだ」

スコットランド出身のクルサードは、メルセデスの怒りは理解できるものの、「今シーズンの終わり方に関しては、ハリウッドだってこれ以上の脚本は書けなかっただろうね」と付け加えている。

エクレストンはさらに、近年のF1ではレース中のインシデントなどに関してF1チーム首脳たちが直接マシに対してそれに関する決定などについての交渉を行うことが増えていることを批判している。

「このスポーツは、もはや純粋な競争ではなく、少数の個人の利益が重視されていることに苦しんでいるんだ」

そう語ったエクレストンは次のように付け加えた。

「どのチームのボスたちもレース中に無線でレースディレクターの決定に影響を与えようとしている。それは、マックスとルイスによる素晴らしい競争が完全に失われたことを意味するものだ」

F1モータースポーツ担当マネジングディレクターであるロス・ブラウンもその件に関しては問題だと受け止めているようだ。

最近、2022年シーズンを最後に離職することになるようだと噂されている67歳のブラウンは、来年はレース中にF1チームがレースディレクターと交渉するようなことを禁止するつもりだと次のように語った。

「チームのボスたちがレース中にマイケルにそのようなプレッシャーを与えることは受け入れられないよ」

「トト・ヴォルフ(メルセデス/チーム代表)がセーフティカーを出さないように要求することも、クリスチャン・ホーナー(レッドブル/チーム代表)が周回遅れのクルマに追い越させるように要求することもできない)

「来年はこのような接触をやめさせるつもりだよ」とブラウンは付け加えている。

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