F1最終戦となる第22戦アブダビGP(ヤス・マリーナ・サーキット)決勝レースが行われ、ファイナルラップでマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)がルイス・ハミルトン(メルセデス)を抜いて優勝し、初のF1ワールドチャンピオンに輝いた。
●【F1第22戦アブダビGP】決勝レースのタイム差、周回数、ピット回数
F1ラストランのホンダは、1991年のアイルトン・セナ以来となるチャンピオンを獲得し、有終の美を飾った。そんな劇的なフィナーレを、ホンダF1は次のように振り返った。
■ホンダF1:最後のレースレポート
最終戦、ファイナルラップでのバトルを制したマックス・フェルスタッペンが、2021シーズンのF1世界チャンピオンに輝き、歴史に残る戦いでシーズンを締めくくりました。
ポールポジションからスタートしたフェルスタッペンは、7コーナーでハミルトン(メルセデス)とのバトルでオーバーテイクをしましたが、コーナーカットをしたハミルトンが先行を維持してコース上に復帰。
審議の末、ハミルトンにポジション維持を許すこととなり、1周目に2番手にポジションを落としました。その結果、レッドブル・レーシングは13周目にピットインし、ハードタイヤへ変更しアグレッシブな戦略を取ることにしました。
■ペレス、ハミルトンを抑えてフェルスタッペンをアシスト
直後にハミルトンもピットインすると、ピットストップを行っていなかったセルジオ・ペレスがソフトタイヤでトップに浮上しました。フェルスタッペンとハミルトンとのギャップを縮めるため、ペレスはハミルトンを抑え込みながら走行するすばらしいパフォーマンスを見せました。
その後オーバーテイクされると、ペレスは22周目に1回目のピットストップを行いハードタイヤへ変更。続いて角田裕毅が1周遅れでピットインをし、スタート時のミディアムタイヤからハードタイヤへ同じく変更しました。ハードタイヤでスタートしたピエール・ガスリーは、ピットインを行わずステイアウトしてトップ6まで浮上し、レースが落ち着くまで走行を続けました。
■バーチャル・セーフティカー導入で動き
最初の混乱は35周目に起こりました。アントニオ・ジョヴィナッツィ(アルファロメオ)がコース上でマシンを止めてしまうと、バーチャルセーフティカーが導入されました。
フェルスタッペン、ペレス、ガスリーが少ないタイムロスでピットストップ。レッドブル・レーシングの2台は再びハードタイヤへ変更し、スクーデリア・アルファタウリのガスリーは異なるタイヤコンパウンドの装着義務のためにミディアムタイヤへ変更しました。
■残り6周でセーフティカー導入!
レース再開後、ハミルトンとの20秒のギャップを少しずつ縮めていきましたが、追い付くには至りませんでした。そんな中、残り6周でニコラス・ラティフィ(ウィリアムス)がクラッシュすると事態は一転しました。
クラッシュによりセーフティカーが導入されると、ポジションキープのためにハミルトンはピットストップを行うことができずステイアウトを選択。フェルスタッペンとペレスに続き角田とガスリーもピットイン。ペレスはPUのデータに異常を確認して、そのままリタイアとなり、3台はソフトタイヤへ変更してレースをリスタートしました。
■ファイナルラップで大逆転
審議の後、レースは残り1周で再スタートを切り、チャンピオン獲得をかけたフェルスタッペンに残されたのはたった1周、全16コーナーでした。
フェルスタッペンは5コーナーでハミルトンを見事オーバーテイクし、9コーナーで抜き返しを図るハミルトンに対してすばらしいディフェンスを見せ、見事に抑えたフェルスタッペン。予想もしなかったレースのファイナルラップの戦いにより、フェルスタッペンが今シーズンのチャンピオンを獲得しました。
残念ながらリタイアとなったペレスでしたが、レースの中では、フェルスタッペンを助ける走りですばらしい貢献を果たしました。そしてスクーデリア・アルファタウリは角田4位、ガスリー5位と2台共がトップ5を獲得し、すばらしい成績を収めました。
コンストラクターズチャンピオンシップで5位にはわずかながら届きませんでしたが、今シーズン最高位の成績を収めた角田は最終戦、ルーキーシーズンの集大成ともいえるレースで、ここ一番の活躍を見せました。
■Honda、6度目のチャンピオン獲得
初めて世界チャンピオンに輝いたマックス・フェルスタッペンには世界中から注目が集まっています。1981年にアイルトン・セナが初めて獲得してから、Hondaとして6度目のチャンピオン獲得により、F1最後の年を最高の結果で締めくくることができました。
●【最新ランキング表】フェルスタッペンが初のF1ワールドチャンピオン!F1世界選手権チャンピオンシップ