2022年もレッドブルのF1マシンにホンダのロゴがあしらわれる可能性があるとの噂がささやかれている。
ホンダは2021年シーズン限りでF1活動から完全に撤退すると発表しており、今週末の第21戦サウジアラビアGP(5日決勝)と来週末の最終戦アブダビGP(12日決勝)が最後のレースとなる。
だが、2022年以降レッドブルがホンダのF1エンジンの知的財産権を譲り受けて自分たちで独自にエンジン製造を行っていくことになっており、ホンダもそのサポートを行うことになっている。そして、2022年にレッドブルが搭載するエンジンも現在ホンダが開発を行っている。
「確かに、我々は来年のエンジンに取り組んでいますし、レギュレーションによって来年は(開発が)凍結されることになります」
サウジアラビアでそう語った田辺豊治ホンダF1テクニカルディレクターは次のように付け加えた。
「空力特性が大きく変わることになりますし、我々はパフォーマンスの向上に取り組んでいるところです」
つまり、最終的にどういうブランド名が施されることになるのかはともかく、レッドブルが2022年に搭載するエンジンがホンダが開発したものであることに疑いの余地はない。
2015年にマクラーレンと組んでF1活動を再開したホンダだが、数年にわたって成果を出すことができずにいた。そして、レッドブルとのコラボによりようやく今年タイトル争いができるようなところにまできたわけだ。そういう段階でホンダがF1からの撤退を決めたことに疑問の声があるのも事実だ。
だが、この件に関しては、田辺TDは次のように語るのみだった。
「私にはわかりません。それは会社が決定したことです」
実際のところ、少し前にはホンダの山本雅史F1担当ディレクターが、2022年もレッドブルのエンジン製造をサポートするものの、レッドブルのF1マシンにホンダのロゴが表示されることはないと明言していた。
だが、このほどスペインの日刊スポーツ紙『AS』から、2022年のレッドブルF1マシンにホンダのロゴが付けられることはないのかと尋ねられた田辺TDは明確にそれを否定はせず、ただ「わかりません」と答えている。
伝えられるところによれば、ホンダの広報担当者も、「ロゴが入る可能性はありますが、それがHONDAなのか、ほかのものになるのかはわかりません」と語ったという。
今後もレッドブルのエンジン製造をサポートしていくとは言え、ホンダとしては正式にF1活動からの撤退を表明しているだけに、常識的には2022年のレッドブルF1マシンにホンダのロゴが付けられることはないはずだ。
だが、こうした噂がささやかれるのも、F1ファンやメディアがホンダの撤退を非常に残念に思っていることの証であるのは確かだろう。