元F1最高責任者のバーニー・エクレストンが、「誰もが今年はマックス・フェルスタッペンがF1チャンピオンになることを望んでいる」と語った。
エクレストンは、決して通算7回のF1ドライバーズタイトル獲得記録を持つルイス・ハミルトン(メルセデス)に対して反感を持っているわけではないものの、F1には新たなチャンピオンが必要なのだと主張している。
エクレストンは、ドイツのテレビ局『RTL』から、ハミルトンが今年通算8回目のタイトルを獲得すれば、伝説的F1ドライバーであるミハエル・シューマッハの上に立つことになるのかと尋ねられると次のように答えた。
「いや、そんなことはないよ」
「実際のところ、ルイスが今年の初めに、『僕は引退する。ミハエルよりも多くのレースやワールドチャンピオンを獲得したいとは思わない』と言わなかったのは、私にとっては驚きだったよ」
そう語ったエクレストンは、今年は36歳のハミルトンに代わって24歳のフェルスタッペンが新チャンピオンになる方に賭けると続け、次のように付け加えている。
「私が金を失わずにすむことを願っているよ」
エクレストンはさらに、自分が話をした者たちは全員がフェルスタッペンのタイトル獲得を期待しているとも語り、次のように続けた。
「ルイスがうまく自分の仕事をしていないと言う者は誰もいないよ。彼は素晴らしい仕事を成し遂げたトップドライバーだ。そしてメルセデスも過去最高のクルマを造っている素晴らしいチームだ」
「ああいうクルマに乗れば、ほかのドライバーたちも同じようにうまくやれるだろうか? できると考えるドライバーは多いだろうし、恐らく何人かの若いドライバーはできるだろう」
「だが、その質問に対する正確な答えはわからないよ」
ともあれ、フェルスタッペンとハミルトンが2021年のタイトル獲得に一歩前進するためには、まずは今週末に行われるサウジアラビアGP(5日決勝)の舞台となるジェッダ市街地サーキットというハードルをクリアする必要がある。完成したばかりのこの新サーキットは、市街地コースにもかかわらずアクセル全開区間が長い高速サーキットだ。
ハミルトンはこのサーキットと来週末に最終戦アブダビGP(12日決勝)が行われるヤス・マリーナ・サーキットには第19戦サンパウロGPで投入したパワフルな新エンジンを投入することになっており、今週末もハミルトンの方にアドバンテージがあるのではないかと予想している者も多いようだ。
ジェッダ市街地サーキットはコース幅もそれほど広くはなく、ランオフエリアなども少ないため、このコースを高速で走行すればアクシデントが発生する可能性も高くなると考えられている。そして、それが予選やレースに大きな影響を及ぼす可能性もありそうだ。
サウジアラビアGP決勝をライバルの前でフィニッシュした方が今年のタイトル獲得に一歩前進することになるのは間違いなく、今週末もフェルスタッペンとハミルトンが激しい攻防を繰り広げることになるのは間違いない。