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【レッドブル】他力本願でのフェルスタッペン戴冠決定は期待せず

2021年12月01日(水)18:05 pm

レッドブル首脳のヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)は、今週末にジェッダ市街地サーキットで今季のF1第21戦として初開催されるサウジアラビアGP(5日決勝)で今季のドライバーズタイトル争いの決着がつく可能性はあまりないと考えているようだ。

現在、あと2レースを残す段階でマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)がライバルである現F1チャンピオンのルイス・ハミルトン(メルセデス)を8ポイントリードしている。しかし、最近のレースではメルセデスF1マシンのパフォーマンスがレッドブル・ホンダをしのいでいるのは間違いない。

加えて、ジェッダ市街地サーキットはエンジンパワーが物を言う高速サーキットだと想定されており、これもメルセデスのハミルトンにとって非常に有利だと想定されている。

実際のところ、8ポイントというのは非常に僅差であり、現時点ではまだ勝利の女神が最終的にどちらに微笑むことになるのかはまったく分からない状況だ。

しかし、数字的には、最終戦アブダビGP(12日)を前に、今週末のサウジアラビアでフェルスタッペンのタイトル獲得が決まる可能性もある。

例えば、仮にハミルトンがクラッシュもしくはマシントラブルなどでサウジアラビアをノーポイントで終えるような事態となれば、フェルスタッペンは2位以上のフィニッシュで今季のタイトルの行方が決することになる。

だが、マルコは母国オーストリアの『Osterreich(エステルライヒ)』紙に対し、そのような可能性はまずないだろうと次のように語った。

「メルセデスでこれまでにマシントラブルを抱えたのは(バルテリ)ボッタスだけだ。ハミルトンにはこれまで何も起きていないよ」

ハミルトンの方が有利だと考えられているサウジアラビアGPだが、どのドライバーにとっても初体験となるジェッダ市街地サーキットがレースやタイトル争いに影響を及ぼす可能性もあると考えられている。レース中にクラッシュなどが起きれば、それによってレース展開が大きく変わる可能性があるためだ。

もちろん、ポイントリーダーのフェルスタッペンにとっても、ここで万が一ミスを犯してクラッシュしてしまうようなことがあれば、初タイトル獲得の夢がそこでほぼ消えることになるだろう。

しかし、マルコは、フェルスタッペンは新しいサーキットにもうまく対応できるはずだと考えている。

「マックスはシミュレーターでトレーニングを積んできた。彼は家にも1台(シミュレーターを)持っているんだ」

そう語ったマルコは次のように付け加えた。

「彼はそこで一度も走ったことがないことをあまり気にはしていないよ」

伝えられるところによれば、ライバルのメルセデスは主要なエンジニアたちを非常に早い時期にサウジアラビアに送り込み、ジェッダ市街地サーキットの分析を行わせていたようだ。

だが、レッドブルもそうしたのかと質問されたマルコは、次のように答えた。

「いや、我々はやらなかった」

「それは、トト・ヴォルフ(メルセデス/チーム代表)と彼の友人であるアレックス・ブルツ(元F1ドライバー/GPDA会長)に任せるよ。しかし、それによってもたらされるものがあるかな?」

「私が知る限りでは、それ(サーキット)は完成しておらず、まだショベルカーや工事車両が走り回っているよ」

「路面が清掃されるのはギリギリになってからだろう。そして、マックスがそれに慣れるには、2、3回の練習走行で十分だよ」

そう語ったマルコは、3日(金)に開幕を迎えるサウジアラビアGPに向けて次のように続けている。

「ブラジル(第19戦サンパウロGP)では我々にはチャンスはなかった。そしてカタール(第20戦)では、我々がセットアップのミスを犯してしまった」

「しかし、それでもまだ我々がリードしている。今度はジェッダで反撃しなくてはならない。マックスにはまだあらゆるチャンスが残されているよ」

いずれにせよ、フェルスタッペンとハミルトンがいずれもトラブルに巻き込まれるようなことがなければ、この2人が優勝争いをすることになるのは確実だろう。そして今週末のレースで勝利した方がタイトル獲得に向けて大きく前進するのは確かだ。

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