かつてブリヂストンのF1タイヤエンジニアを務めていたキース・ファン・デ・グリントが、メディアやF1関係者はメルセデスの2021年型マシンが違法なのではないかといったことを話題にするのはやめるべきだと主張した。
熾烈な2021年F1タイトル争いをしているレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンとメルセデスのルイス・ハミルトンだが、シーズンが終盤を迎えた頃からメルセデスが突然パフォーマンスを大きく向上させたと考えられている。
そして、その裏には、メルセデスがエンジンやリアウイングに違法な手法を取り入れているのではないかとの噂もささやかれるようになっている。
だが、かつてブリヂストンがタイヤを供給していたフェラーリでミハエル・シューマッハの活躍に貢献した実績を持つファン・デ・グリントはドイツのテレビ番組『RTL GP』で次のように語った。
「カタールでは、チーム間のスピード差はそれほど大きくはなかったよ」
「メルセデスがうまくやっただけだ」
ファン・デ・グリントはさらに、メルセデスのエンジンやリアウイングに関する噂に言及しながら次のように主張している。
「FIA(F1統括団体の国際自動車連盟)が違法ではないとしたわけだから、そういうことを話すのはもうやめるべきだよ」
ともあれ、フェルスタッペンがハミルトンに8ポイント差をつけた状態で今季の残り2レースに臨むことになるわけだが、最終的にどちらに勝利の女神が微笑むのかは全くわからない状況となっているのは確かだ。
ファン・デ・グリントは、2021年のF1シーズンが白熱したものになっているのはフェルスタッペンのおかげだと次のように語っている。
「彼がいなければ、こんなショーは見られなかっただろうし、我々はみんな眠りに落ちてしまっていただろうね」
パワーユニットと呼ばれるハイブリッド方式の現行F1エンジンが導入された2014年以降昨年まで圧倒的な強さでF1を支配してきたメルセデスだが、今年はレッドブル・ホンダと壮絶なタイトル争いを演じており、最終決着が最終戦アブダビGP(12月12日決勝)までもつれこむのがほぼ確実な状況となっている。
現在8ポイント差でハミルトンをリードしているフェルスタッペンがこのまま初のF1タイトル獲得に成功するのか、あるいは現F1チャンピオンのハミルトンが通算タイトル獲得新記録となる8回目のF1王者となるのか、来週末から2週連続で開催される第21戦サウジアラビアGP(12月5日決勝)と最終戦アブダビGP(12月12日決勝)から目が離せないのは確かだ。