熾烈な2021年F1タイトル争いをしているレッドブル・ホンダとメルセデスだが、シーズンが終盤を迎えた頃からメルセデスのパフォーマンスが突然大きく向上してきており、残りの2レースでルイス・ハミルトンがマックス・フェルスタッペンを逆転する可能性が高くなったと考えている者も少なくないようだ。
こうした中、元F1ドライバーであり、現在はオランダGPの責任者を務めているヤン・ラマースは『NOS(オランダ放送協会)』に対し、そもそも、今年もシーズンを通じてメルセデスのF1マシンの方がレッドブル・ホンダよりも速かったのは確かだと次のように語った。
「私個人としては、今年のメルセデスとレッドブルのマシンの速さに大きな変化があるとは思っていないよ」
「私はメルセデスの方が常によかったと思っている。問題は不安定なことだ。ときにはボッタスがハミルトンより速いが、その1週間後にはボッタスの姿は見当たらなくなる」
「つまり、純粋にこの2人のドライバーを比較すると、ハミルトンのパフォーマンスがボッタスに比べて大きく異なるということだ」
「マックスがレースに勝つときは、マシンのおかげではなく、例えばメキシコのように、1周目でうまくトップに立ったような場合が多いんだ」
「マックスが勝てたのは、彼が自分の力でそれを引き寄せたからであって、必ずしもメルセデスが劣っていたからではないよ」
今シーズンのここまでの結果を見れば、ポールポジションはフェルスタッペンが最多の8回を記録しており、それにハミルトンの5回、ボッタスの4回と続いている。しかし、チーム単位で見れば、レッドブル・ホンダの8回に対してメルセデスは9回ポールを獲得していることになる。
勝ち星はフェルスタッペン9勝、セルジオ・ペレス1勝のレッドブル・ホンダが合計10勝を上げているのに対し、メルセデスはハミルトンが7勝、ボッタス1勝の8勝と2つの差があるものの、実際のところ、両チームの力はほぼ互角だと言ってもよいだろう。
だが、ラマースは、メルセデスが現時点ではかなり優位に立っているのは間違いないと考えている。
「予選ではメルセデスがコンマ3秒から4秒、レースでもコンマ1秒から2秒上回っていると思う。(シーズンが)始まった頃にはもう少し(差は)小さかったよ」
ラマースはそう語ると次のように付け加えた。
「しかし、今シーズンはメルセデスが常にレッドブルよりも速いという事実は変わらないよ」