フォルクスワーゲン傘下の高級ドイツ車メーカーであるアウディが、同じくフォルクスワーゲン・グループに属しているポルシェと共に2026年にF1に参入することを目指していることが報じられている。
だが、今週に入ると、アウディがF1チームを含むマクラーレン・グループ全体を買収したという報道がなされた。『Forbes(フォーブス)』誌によれば、その評価額は6億ドル(約685億円)だと推定されているようだ。
だが、マクラーレンは即座にこの報道を否定する声明を出している。
「マクラーレン・グループはアウディに売却されたというニュースメディアの報道を承知している」
そう切り出されたマクラーレンの声明は次のように続けられている。
「これは完全に不正確であり、マクラーレンはこの記事の削除を求めている」
「マクラーレンの技術戦略には、ほかの自動車メーカーを含む関連パートナーやサプライヤーとの継続的な話し合いや協力が常に含まれている」
「しかし、マクラーレン・グループのオーナーシップ体制には何の変更もない」
だが、こうした中、ミカ・ハッキネンが活躍していた時代にマクラーレンと密接に協力していたメルセデスの元モータースポーツ責任者であるノルベルト・ハウグは、アウディがイギリスのF1チームであるマクラーレンを買収すれば、それは「F1に関心のあるすべての人にとって素晴らしいことだ」と『Sky Deutschland(スカイ・ドイチュランド)』に述べている。
「それは、10年以上前に我々メルセデスがより小さな資金で自分たちのチームを持ったことが、いかに正しく、重要であったかを明確に示すものだ」
現在F1モータースポーツ担当マネジングディレクターを務めるロス・ブラウンが、2008年シーズン限りでF1撤退を決めたホンダF1チームを引き継いで立ち上げたブラウンGPで2009年にドライバーズタイトルとコンストラクターズタイトルを獲得。そして、そのチームをメルセデスが買収して自分たちのワークスチームとしたことに言及しながらそう続けたハウグは微笑みを浮かべながら次のように付け加えた。
「仮に2021年に8年連続でのタイトル獲得ができないとしても、あれ以来、我々は非常にうまくやっているよ」