元F1ドライバーのニコ・ロズベルグは、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)とルイス・ハミルトン(メルセデス)による今年のタイトル争いはF1史上最高レベルのものかもしれないと考えている。
2016年にチームメートのハミルトンを破って初のF1ドライバーズタイトル獲得に成功したロズベルグだが、その直後にF1引退を発表。その後バルテリ・ボッタスをチームメートに迎えたハミルトンは2020年までライバルを寄せ付けずにタイトル連覇を達成し、昨年ついにミハエル・シューマッハに並ぶ通算7回目のF1チャンピオンに輝いている。
だが、今年はその様相が大きく変わっている。ここまでに17戦が消化された今年のF1だが、フェルスタッペンが8勝、ハミルトンが5勝と、勝利数だけを見ればフェルスタッペンがハミルトンを大きくしのぐという展開となっている。
ノーポイントレース数の差により、フェルスタッペンの現在のリードは勝利数の差ほどには大きくはないが、それでもアメリカで勝利したフェルスタッペンがハミルトンに12ポイント差をつけてランキングトップに立っている。
こうした中、ロズベルグは母国ドイツのテレビ局『Sky Deutschland(スカイ・ドイチュランド)』に次のように語った。
「僕から見れば、マシンはほぼ同等だし、ドライバーたちもほぼ同等だ。そして彼ら2人はほかの者たちとの比較では抜き出ている」
「ついて行ける者は誰もいないよ」
現在はテレビのF1解説者としても活躍している36歳のロズベルグは、この2人による緊迫した戦いは今季の最終戦アブダビGP(12月12日決勝)まで続くだろうと考えている。
「最後の数レースはかなりの接戦になるだろうし、その間に様々なことが起こると僕は確信しているよ」
「この戦いを超えるものはないよ。僕には彼らがどのようなパフォーマンスを発揮しているのかを判断することができるし、この2人のドライバーはすごく高いレベルにある。おそらくF1の歴史においても最高レベルじゃないかな」
「本当に、驚異的だよ。僕はすごく尊敬の念を抱いている」
そう語ったロズベルグだが、現時点ではフェルスタッペンが12ポイントをリードしているものの、最後の最後にはハミルトンが今季もタイトルを持ち帰る可能性が高いと考えているようだ。
「やはり、僕はルイスだと思っているよ。彼には豊富な経験があるし、最後にはいつも彼がトップに立ってくるからね」
そう語ったロズベルグは次のように付け加えた。
「彼に勝つのはすごく難しいよ。だけど、現時点ではマックスがすごく並外れたドライビングをしているとも言っておかないとね」