現時点で2022年に誰がドライブするのかが確定していないF1マシンは、現在アントニオ・ジョビナッツィがステアリングを握っているアルファロメオの1台のみとなっている。
このマシンのシートを巡っては、フェラーリのサポートを受けるジョビナッツィを含め、現在F2選手権でランキングリーダーとなっているオーストラリア人ドライバーのオスカー・ピアストリや同じくF2ランキング2番手に位置している中国人ドライバーの周冠宇(チョー・ガンユー)やなどの名前が噂にのぼっている。
だが、最近、ジョビナッツィにはすでに来季続投のチャンスはないと伝えられているのではないかと噂がささやかれ始めている。
というのも、先週末にイスタンブール・パークで開催された今季のF1第16戦トルコGP決勝でジョビナッツィがチームからチームメートのキミ・ライコネンを先に行かせるよう指示されたときにこれを拒否していたことが明らかとなったためだ。
「ポジションの変更を求めたが、その時点でアントニオがペースを上げ始め、自分が前に留まろうとしたんだ」
アルファロメオのトラックエンジニアリング責任者を務めるセビ・プホラールはそう語ると次のように続けた。
「チームにとって、それは最適な判断ではなかったよ」
「レース終盤には状況に応じて順位を戻すこともできただろうし、なぜ順位を入れ替えることができなかったのか、私には理解できなかったよ」
「我々にとってはポイントを得ることが重要だし、あの段階でのキミのペースには競争力があったんだ」
結局、トルコGP決勝をジョビナッツィは11位、今季限りでのF1引退が決まっているライコネンは12位に終わり、アルファロメオとしてはポイントを獲得することができなかった。
あくまでも仮定の話ではあるが、もしもジョビナッツィが2022年もチームに残りたいのであればチームとの信頼関係を損ねることは避けようとするだろうし、チームオーダーに素直に従うことを選択するのではないだろうか。
今回ジョビナッツィがチームの指示に従わなかったということは、すでにジョビナッツィ自身が来年はシートを失うことを知っているからではないかと考えれば、確かにつじつまが合いそうだ。