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【F1】最後に残ったアルファロメオのシートを得るのは?有力視されていた中国人ドライバーが一歩後退

2021年10月07日(木)17:51 pm

最近では2022年に初の中国人F1ドライバーが誕生する可能性が高いと噂されていたが、どうやらその雲行きが怪しくなってきているようだ。

現時点で2022年のドライバーが確定していないのはアルファロメオのひとつのシートだけとなっている。

アルファロメオには来季メルセデスからバルテリ・ボッタスが移籍することが決まっているが、スイスに本拠を置くチームはそのチームメートに現在F2選手権で戦っている中国人ドライバーの周冠宇(チョー・ガンユー)を起用する可能性が高いと考えられてきた。

ところが、最新の情報によれば、アルファロメオのチーム代表を務めるフレデリック・バスールが、周側が求めている契約条件に難色を示しているという。

伝えられるところによれば周は3000万ドル(約33億円)もの資金を中国のスポンサーから持ち込むことができるものと考えられているが、どうやら周サイドではアルファロメオに複数年契約を結ぶことを求めているようだ。

こうしたことから、現在今季限りでのF1引退が決まっているキミ・ライコネンのチームメートを務めているアントニオ・ジョビナッツィが2022年も残留する可能性が高くなってきたと考えられている。

「キミがコロナ感染で2レースを欠場したとき、アントニオはチームのキャプテンという役割を担うことで成長を見せた」

そう語ったバスールは次のように続けた。

「彼は週末を通じてより多くの責任を負い、より一貫性のある仕事をしていた」

「アントニオは、それまでは浮き沈みが多かったが、すべてのセッションで改善を見せたよ」

バスールはさらに、2022年にはメルセデスでこれまでに9勝をあげた実績を持つボッタスをライコネンの後任として迎えることで、そのチームメートの選択に関しては自由度が高まるのだと語り、次のように付け加えている。

「我々はバルテリと何ができるかはわかっているからね」

噂によれば、バスールが周が求める複数年契約に難色を示しているのは、そうすれば自分が目をかけているザウバーのジュニアドライバーであるテオ・プシェールのF1昇格の妨げになる可能性があるためだと考えられている。

バスールと同じフランス出身ドライバーであるプシェールは2020年のF3選手権をランキング3位で終え、今年はF2に参戦しており、現時点ではランキング5番手に位置している。

バスールは、まだ18歳のプシェールに2022年には何度かF1テストのチャンスを与え、2023年にF1デビューさせるという青写真を描いているようだ。

こうした中、周とジョビナッツィ以外に、第3の候補者が2022年のアルファロメオのドライバー候補に浮上してきたとも伝えられている。

それは、F2選手権で現在ランキングトップに立っているオーストラリア出身ドライバーのオスカー・ピアストリだ。

ピアストリのマネジャーを務めているのは同郷の元F1ドライバーであるマーク・ウェバーだ。2014年までレッドブルで走っていたウェバーは、もしこのままピアストリが今季のF2タイトルを手にすれば少々悩ましい問題を抱えることにもなると認めている。

それは、現在のF2選手権のルールではその年にチャンピオンとなったドライバーは翌年以降は参戦できないことになっている。つまり、ピアストリがタイトルをとっても、F1昇格の道が開けなければ、2022年にはまた別の選択肢を探さなくてはならなくなるわけだ。

こうしたことから、ウェバーとしてもなんとかアルファロメオF1マシンにピアストリを乗せたいと働きかけているようだ。

「彼は若いドライバーとしては並外れた経歴を持っているんだ」

ピアストリについてそう語ったウェバーは次のように付け加えた。

「どういう可能性があるのかを確かめていく必要がある」

興味深いのは、周もピアストリも現在はアルピーヌのジュニアドライバーであるということだ。

そして、アルピーヌのCEOを務めるローラン・ロッシも20歳のピアストリの可能性を高く買っているようだ。

「来季、オスカーのために我々も準備していることがある。詳細は言えないがね」

「私が言えることは、彼の今後のキャリアに今年のF2の結果は影響しないということだ」

「ピアストリのキャリアが失速することはないと確信しているよ。彼は自分の才能を示してみせたし、我々も彼に成長を続けて欲しいと思っている」

イタリアの『Autosprint(オートスプリント)』にそう語ったロッシは次のように付け加えた。

「彼にはF1での将来があるし、私はそれがアルピーヌであることを願っているよ」

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