元F1ドライバーのティモ・グロックは、2021年に初のF1ドライバーズタイトル獲得を目指すマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が非常に落ち着いた態度を見せていることに感心しているようだ。
かつてジョーダンやトヨタで活躍していたドイツ出身のグロックは現在もDTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)に参戦する現役ドライバーだ。
39歳のグロックは、最近のフェルスタッペンは以前に比べるとかなり大人になったと考えている。
実際のところ、攻撃的なドライビングスタイルで知られているフェルスタッペンだが、かつてはコース外においてもそうした一面を見せていたこともある。例えば、2018年のブラジルGPではレース後にエステバン・オコン(現アルピーヌ/当時フォース・インディア)を突き飛ばしたことなどもあった。
グロックは、モンツァ・サーキットで行われた今季のF1第14戦イタリアGP決勝でそのフェルスタッペンと現チャンピオンであるルイス・ハミルトン(メルセデス)の間に起きたクラッシュに言及しながらドイツの『Speed Week(スピードウィーク)』に次のように語った。
「モンツァの後、彼(フェルスタッペン)は何にも関わることなく、自分のことだけに集中している」
「以前なら、彼は爆発していただろうね」
「私は彼がバイザーを引きちぎってそういう態度を見せるんじゃないかと思っていたよ。だが、今の彼はすごく成熟しているね」
「彼は、そうすれば結局のところ自分を傷つけることになるだけだということがわかっているんだ。彼は間違いなく自分を鍛えてきている。だから、まずは深呼吸をして、冷たい水を自分にかける必要があることを理解しているよ」
グロックは、そのフェルスタッペンの落ち着きが第15戦ロシアGPではいい結果に結びついたのだと考えている。
「彼がソチでやってみせたこと、つまり、適切なタイミングで決断し、まったくミスをしなかったことによって、チャンピオンシップを決定づけるようなレースになったんだ」
「それは、たとえ今後プレッシャーが非常に大きくなっていくとしても、彼は成熟しており、そのための準備ができているということを示すものだよ」
そう語ったグロックだが、現在ミハエル・シューマッハと並ぶ通算7回のタイトル獲得記録を持つハミルトンが今季その記録をさらに更新することをフェルスタッペンに食い止めて欲しいとも思っているようだ。
「しかし、もし彼(フェルスタッペン)がタイトルを獲得すれば、それはF1にとっても勝利となるだろう」
グロックはそう語ると次のように付け加えた。
「ミハエルのためにも、そうなればいいと思っているよ」