F1最高責任者(CEO)を務めるイタリア出身のステファノ・ドメニカリが、モンツァ・サーキットで行われるF1イタリアGPの将来を懸念していることを認めた。
モンツァ・サーキットは1980年に1度だけイモラにイタリアGPの看板を譲ったことがあるものの、それ以外はこれまでずっとイタリアGPの開催を続けてきており、“ティフォシ”と呼ばれる熱狂的なフェラーリファンがスタンドを埋め尽くすことで知られている。
だが、今年のモンツァは過去に例を見ない危機的状況を迎えているようだ。レース主催者によれば、今週末のレースを観戦するために前売りチケットを購入したのはわずか16,000人ほどに過ぎないという。
これは、現在実施されている新型コロナウイルス関連の厳しい規制が原因ではないかと考えられているが、レース主催者であるイタリア自動車クラブ(Aci)のアンジェロ・スティッキ・ダミアーニ会長は、これは非常に切実な問題だと次のように語っている。
「およそ1,600万ユーロ(約20億円)の損失になるだろう」
かつてフェラーリのチーム代表を務めていたことでも知られるドメニカリも、それほどの損失を抱えてしまえば、歴史あるモンツァでのイタリアGPの将来も危うくなってしまうだろうと懸念している。
伝えられるところによれば、これまでに売れたおよそ16,000枚のチケットのうち、その30パーセントはオランダのファンが買ったものだという。もちろん、母国のヒーローであるマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)を応援するためだ。
しかし、この数字が正しければ、実際に前売りチケットを買った地元イタリアのファンは1万人を少し超える人数でしかなかったことになる。
「我々はその理由を理解する必要がある」
イタリアの『La Repubblica(レプブリカ)』にそう語った56歳のドメニカリは次のように続けている。
「モンツァがカレンダーに残ることを願っているが、リターンのあるビジネスモデルを考える必要がある」
「そうでなければ、意味がないからね」