今週末には今季のF1第14戦イタリアGP(12日決勝)が開催されるが、その舞台となるモンツァ・サーキットに集まる観客は予想をかなり下回る人数となってしまうようだ。
新型コロナウイルスの影響により、イタリア当局から認められた今年モンツァ・サーキットに入場できる観客数は最大収容可能人数の50パーセントだと伝えられている。モンツァ・サーキットは約12万人の観客収容能力があるため、計算上は6万人ほどの観客が現地で観戦できることになる。
ところが、イタリアの『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』によれば、レース当日の日曜日、そしてスプリント予選が開催される土曜日の観客数は、実際には15,000人から16,000人程度になるだろうという。
イタリアGPのレース主催者は、これは2021年のチケット販売開始が遅かったことが原因だったと主張している。
イタリア自動車クラブ「Aci」のアンジェロ・スティッキ・ダミアーニ会長は次のように語った。
「2020年には我々は無観客でグランプリを開催した。しかし我々は自分たちの義務は果たした」
「今年も困難な状況にある。だが、観客入場制限に関して政府が課したルールについて議論するつもりはない」
「チケットの販売が開始されたのはやっと8月5日になってからだったし、今年のグランプリは大きな損失となることを認めざるを得ない。ロンバルディア州の財政支援がなければ、実行することさえ不可能だったと思っている」
サーキット運営会社である『Sias』社のジュゼッペ・レダエリ社長も次のように述べている。
「残念ながら、チケットの販売が遅れたことで今週末は多くの人が別の活動を選択している。つまり、サーキットにやってくるファンは少ないだろう」
「ヨーロッパの人々は、より多くの人がスタンドに入ることができるほかのレースサーキットに行ってしまったんだ」
「前売り券の売れ行きは悪かったし、日曜日(12日)は最も楽観的な予測でも観客は15,000人から16,000人になるだろう。そのうちの30パーセント以上はマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)のファンであり、彼らはオランダから来ることになる」
噂によれば、今年のイタリアGP現地観戦にあたっては「グリーンパス」と呼ばれるワクチン接種証明書を所持すること、常にマスクを着用すること、チェッカー後に表彰台を祝うためにサーキットに入ることを控えることなどの条件をイタリア政府が設定しており、イタリアのF1ファンがそれに抵抗を感じたのもチケットの売れ行きが悪かった理由のひとつだと考えられているようだ。
先週末にフェルスタッペンの母国で行われたF1オランダGPでは、オレンジ色の服をまとったフェルスタッペンのファンでザントフォールト・サーキットの観客席が埋め尽くされていた。
今週末にイタリアGPが開催されるモンツァは“ティフォシ”と呼ばれるフェラーリファンの聖地だとも言われるサーキットであり、普通はスタンドがフェラーリの赤一色に染められることで知られている。
しかし、今の状況を考えれば、今年はモンツァでもオレンジ色がかなり目立つことになりそうだ。