2022年もアストンマーティンでF1を続けるのかどうか質問されたセバスチャン・ベッテルが「そう思う」と答えた。
昨年限りでフェラーリのシートを失ったベッテルが今年アストンマーティンに移籍することが明らかになった時には、ベッテルは複数年に及ぶ契約を結んでいるものと考えられていた。
しかし、アストンマーティンはまだ公式には2022年のドライバーラインアップを発表していない。
チームオーナーの息子であるランス・ストロールが残留するのは確実だが、アストンマーティンは2022年のドライバー体制に関しては「まもなく」決定すると言うばかりで、いまだに正式発表を行っていない。
こうしたことから、ひょっとするとベッテルが今季限りでF1を引退する可能性もあるのでないかとの噂もささやかれ始めている。
ベッテルの友人でもあるキミ・ライコネン(アルファロメオ)が今季を最後にF1キャリアを終えることを1日(水)に発表したが、2日(木)にF1オランダGP(5日決勝)の舞台となるザントフォールト・サーキットでそのことについて質問された34歳のベッテルは次のように答えた。
「なぜ彼がやめるのかはわからない。まだキミとは話していないんだ」
「(ライコネンが決めたことなら)僕も満足だけど、彼が僕よりもキャリア終盤にいるのも事実だよ」
2010年から2013年までレッドブルで4年連続F1チャンピオンとなったベッテルだが、以来昨年まで7年連続でタイトルには手が届かない時期が続いている。
昨年までレーシングポイントと呼ばれていたシルバーストンに本拠を構えるアストンマーティンだが、昨年はコンストラクターズランキング4位となるパフォーマンスを発揮していたものの、今年は現在ランキング7番手に沈んでしまっている。
こうした状況のもと、ベッテルはF1に対するモチベーションを維持するのが難しくなってきているのではないかと考えている者もいるようだ。
母国ドイツのテレビ局『Sky Deutschland(スカイ・ドイチュランド)』から、2022年もアストンマーティンで走ることになるのかと質問されたベッテルは次のように答えた。
「ああ、そう思うよ」
「今の僕はそれほどドライバー市場に目を向けてはいないんだ」
「僕の立場に関しては、ここまでのところはすべてがはっきりしているよ」
■同郷ラルフ・シューマッハ、自身の引退理由を振り返る
ベッテルと同じドイツ出身の元F1ドライバーであり、1997年から2007年にかけてウィリアムズやトヨタなどで活躍したラルフ・シューマッハは、ベッテルも遅かれ早かれF1のキャリアを終えることになるのは確かだと次のように語った。
「どこかの時点で、レースの楽しさが十分ではなくなる時を迎えることになる」
母国のテレビ局『Sport1(シュポルト1)』にそう語ったラルフ・シューマッハは次のように続けた。
「それは、世界最速のマシンを限界まで走らせた時のポジティブな感覚よりも、そのために努力しなければならないことの方が大きくなってしまう時なんだ」
「僕に関して言えば、それが引退の理由だったよ。でも、セバスチャンがすでにそういう状態なのかどうかはわからない」
「彼が躊躇し、少しばかり悩んでいるのはそのためだと僕は思っている。子供たちと一緒にいる方がいいのか、それとも再びアクセル全開で行く方がいいのかをね」
そう語ったラルフ・シューマッハは次のように付け加えた。
「その答えを出せるのはセバスチャンだけだよ」