今季のF1第13戦オランダGP(5日決勝)を迎えるマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が、ザントフォールト・サーキットで2日(木)に「トラックウォーク」を行った。
普段、フェルスタッペンはレースに向けてサーキットを歩いて下見する「トラックウォーク」は行わないことで知られているが、ザントフォールトでレースをするのは初めてのことであり、オランダ出身のフェルスタッペンにとってホームレースとなるレースを迎えるにあたり、いつも以上の準備をしておきたいという気持ちがあったのかもしれない。
フェルスタッペンがエンジニアと一緒にコースを歩いていた時、元F1ドライバーでもある父親のヨス・フェルスタッペンが息子に携帯電話を通じて「病気でもしたのか?」とジョークを語っていたようだ。
フェルスタッペンは、今週末のレースの舞台となるザントフォールト・サーキットは独特なレイアウトを持つだけに、担当エンジニアからトラックウォークをするようにアドバイスされただけだとしている。
そのフェルスタッペンと熾烈な2021年のタイトル争いを行っている現F1チャンピオンのルイス・ハミルトン(メルセデス)にとって、フェルスタッペンの地元で行われる今週末のレースでは、普段よりも大きなプレッシャーを受けることになりそうだ。
サーキットに大挙して集まるフェルスタッペンのファンが大きなブーイングでハミルトンに浴びせかけることになると考えられているためだ。
そうした中、少し前にはザントフォールトのディレクターを務めるオランダ出身元F1ドライバーであるヤン・ラマースが、地元のファンに対してハミルトンにブーイングするのは控えるよう呼びかけていた。
そして、ヨス・フェルスタッペンも母国オランダの観客がハミルトンにブーイングを行わないことを期待していると次のように語った。
「私は観客がこの戦いにいい反応を示し、ルイスにブーイングをしないよう願っているよ。マックスは自分で相手に対処する方法を見つけ出せるだろうからね」
しかし、23歳のマックス・フェルスタッペンは、オランダのファンがブーイングをしないよう公的に依頼するつもりはないと次のように語った。
「地元のサッカークラブが拡声器を使って、ブーイングをしてはいけないと言っても仕方ないことなんだ。だって、それは自然に起こることだからね」
「僕はただ、コース上で自分がしていることに集中するだけだよ。ほとんどのファンは、マシンやレースを見て、素晴らしい週末を過ごしたいと思ってここに来るだけのはずだからね」
「僕が彼らに代わって決めることはできないよ」
一方、今年F1史上最多記録となる通算8回目のF1ドライバーズタイトル獲得を目指すハミルトンは、ブーイングをする人たちは「内に憎しみを抱いている」のだと最近語っていた。
だが、ザントフォールトに入ったハミルトンは、そのコメントに関して次のような補足を行っている。
「それは、ファンが持つ情熱に過ぎないよ。彼らの一部は自分たちの敵に嫌悪を抱いているだろうけれどね」
「そういう者たちはグランドスタンドの中でもごく一部じゃないかと思うし、僕はブーイングするのを我慢することができる人たちのことも賞賛するよ。それがスポーツなんだ」