先週末の日曜日にスパ・フランコルシャンで開催されたF1ベルギーGPでの反省を踏まえ、F1では今後レースの成立に関するルールを見直すことになりそうだ。
降り続く雨の中で長時間にわたって中断されていたベルギーGPだが、1時間レースとして再開されたものの、セーフティカー先導のもとでわずか2周を終えただけで再び中断。そして、そのままレースが成立となり、スターティンググリッドの上位10名のドライバーに通常の半分のポイントが付与された。
これに関しては、ルイス・ハミルトン(メルセデス)やフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)などのドライバーが批判的なコメントを行っていたが、アルファロメオも30日(月)にメディア向けに声明を発表し、F1がとった方法を非難している。
アルファロメオはその声明の中で、「昨日目撃したような“レース”を一切行わないことで、より適切な対処ができたはずだ」と指摘し、次のように続けている。
「昨日学んだことが、今後の運営方法を改善し、我々のスポーツを支えてくれている人たちを相応しい立場に置くための教訓となることを期待している」
アロンソは『DAZN(ダゾーン)』に対し、「口を閉ざしておこう」とは思ったものの、今年のベルギーGP決勝がああした形で成立したのは、競技というよりも「マーケティング上の決定」に近いものだと思うと語っていた。
しかし、F1最高責任者のステファノ・ドメニカリは今回の決定はルールに則ったものであり、政治的もしくは商業的な思惑が絡んでいたものではないと主張している。
こうした中、元F1チームオーナーのジャンカルロ・ミナルディは母国イタリアの『La Repubblica(レプブリカ)』紙に次のように語った。
「簡単な決断ではなかっただろう。彼らには安全と契約の両方を保証する必要があったんだ」
「テレビを見ていて最初に思ったのは、自分がこの判断をするマイケル・マシ(F1レースディレクター)でなくてよかったということだったよ」
マクラーレンのチーム代表を務めるアンドレアス・ザイドルは、マシはルールに従って判断を下しただけであり、それを責めるわけにはいかないと次のようにコメントしている。
「誰も今回のようなレースを望んではいなかったが、最終的には、確立されたルールがあり、それが適用されたということだ」
「競技をしていれば、このような日もあり得るということを受け入れる必要があると私は思っている」
しかし、メディアには今回のF1の決断に対して厳しい論評が多いのも確かだ。例えば、イタリアの『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』は次のように報じている。
「スパでは、ルイス・ハミルトンの言うとおり、ご都合主義と政治が優先された」
実際のところ、F1や統括団体であるFIA(国際自動車連盟)も、わずか2ラップのセーフティカー先導による走行でレースが公式に成立するといった現在のルールを見直すべきだと考えているようだ。
FIAのF1レースディレクターを務めるマシは次のように語った。
「来年に向けて行われる次のミーティングでは、みんなが望んでいることを確認するために、認識されている様々なことを検討するつもりだ」
マクラーレン・レーシングのCEOを務めるザック・ブラウンはこれに関して、より明確に次のように語っている
「レギュレーションでは数周すればそれをレースだと言えることになっている。それを見直す必要があると私は思っている」