アレクサンダー・アルボンが2022年にインディカーに転向する可能性が膨らんでくるかもしれない。
イギリス生まれのタイ国籍ドライバーであるアルボンは2019年にレッドブルのセカンドチームであるトロロッソ(現アルファタウリ)からF1デビューを飾ると、そのシーズン後半にはピエール・ガスリー(アルファタウリ)と入れ替わりにレッドブルに昇格。続く2020年もレッドブルでマックス・フェルスタッペンのチームメートとしてフルシーズンを戦った。
だが、アルボンのパフォーマンスが期待されたレベルに到達しなかったことから、レッドブルはアルボンの続投をあきらめ、2021年には経験豊富なメキシコ人ドライバーのセルジオ・ペレスをその後任に据えている。
レッドブルのシートを失ったアルボンは、今季はレッドブルのリザーブドライバーを務める傍ら、DTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)にエントリーし、F1復帰のチャンスを探っている状態だ。
しかし、レッドブルでは2022年もアルボンをF1で起用する計画はないと考えられており、25歳のアルボンはほかのカテゴリーで走ることを視野に入れているが、そのひとつの選択肢がアメリカのインディカーだ。
先週末にインディカーの今季第12戦が行われたインディアナポリススピードウエイを訪れ、レースを視察したアルボンはインディカー公式サイトによるインタビューに次のように答えている。
「そこに何があるのかを知りたいんだ。僕の一番の目標はF1で走ることだ。だけど、それは100パーセント確実じゃない。だからプランBやプランCを用意してほかにどういうものがあるのかを確かめる必要もあるんだ。僕はずっとインディカーに興味があったからね」
今年のインディカーには昨年までハースF1チームで走っていたロマン・グロージャンも参戦しており、アルボンが視察した第12戦では2位フィニッシュを果たしている。そして、アルボンはグロージャンに会って助言を求めたようだ。
「僕は彼がそれ(インディカー)についてどう思っているのかを知りたかったんだ。彼が満足しているかどうかをね」
「もちろん、彼は満足しているよ。彼の顔にはずっと微笑みが浮かんでいる。彼にとって転向はどうだったのか、どうやってすぐにインディカーの感触をつかむことができたんだろう? 彼はここの居心地がすごくよさそうだった」
「正直なところ、自分がやりたいことかどうかを判断するのは難しいね。今はいくつかのチームと会っているところなんだ。彼らと話をして、そこに何があるのかを見て、自分がどうするかを決めたいと思っているよ」
そう語ったアルボンは次のように付け加えている。
「もちろん、適切な機会があれば、あるいはF1ではチャンスがなかったとしても、ここではいいチームでやるチャンスがあり、ここ数日間のうちにそれが自分にとって楽しいことだと思えるようであれば、(2022年にINDYCARに参戦する)確率は明らかに上がるだろうと言っておくよ」