今季のF1第11戦ハンガリーGP決勝で2着となったセバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)のレース失格が正式に確定したことを受け、レッドブル首脳のヘルムート・マルコが今後F1のペナルティシステムを再検討する必要があると主張した。
ベッテルは、ハンガリーGP決勝後に乗っていたF1マシンからルールで定められた1リットルのガソリンを採取できなかったことから失格処分を受けてしまっていた。アストンマーティンはこれを不服として異議申し立てを行っていたが、FIA(F1統括団体の国際自動車連盟)のF1競技委員会はこれを棄却。これにより、ベッテルのレース失格が確定している。
この決定を受け、マルコはドイツの『Speed Week(スピードウィーク)』に次のように語った。
「タンクに十分なガソリンが入っていなかったためにベッテルは失格となってしまった」
「ペナルティの妥当性について話し合う必要があるね」
マルコが言及したペナルティの妥当性とは、単にハンガリーでのベッテルの件だけでなく、シルバーストンで行われた第10戦イギリスGP決勝でマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が51Gもの衝撃を受けた大クラッシュを引き起こしたルイス・ハミルトン(メルセデス)にわずか10秒のタイムペナルティしか科されなかったことも含めてのことであるのは明らかだ。
マルコは次のように続けた。
「ベッテルがほとんど燃料を使い切ってしまった理由は明らかだ」
「彼ら(アストンマーティン)は通常のレースをもとに計算していたが、彼(ベッテル)はオコン(アルピーヌ)との戦いでより多くの燃料を消費してしまったんだ。ああいう状況で燃料を節約するドライバーなど誰もいないよ」
「だが、(シルバーストンでの)ハミルトンの攻撃との比較において、それは妥当なものだろうか?」
マルコは、第11戦ハンガリーGPにおいてフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)とバトルを展開していたハミルトンがアロンソのドライビングが危険だと無線で文句を言っていたことに言及しながら次のように付け加えている。
「アロンソは素晴らしいドライビングをし、完璧なディフェンスをしていたよ。それなのに、わずか1レース前にライバルをはじき出した者がそういう発言をするなんてね」