F1ハンガリーGPでF1キャリア初優勝を飾ったエステバン・オコン(アルピーヌ)が、チームメートのフェルナンド・アロンソはものすごく誤解されていると主張した。
波乱に満ちたハンガリーGP決勝でオコンが最後までトップを走り続けることができたのは、後方から猛追してきたルイス・ハミルトン(メルセデス)に対し、アロンソが数周にわたってオーバーテイクを許さぬ見事な防御を見せたことも一助となっていたと考えられている。
アルピーヌのアドバイザーを務める4度F1チャンピオンとなった実績を持つアラン・プロストは、今回のアロンソの働きは「信じられないような自己犠牲の行為」だったと賞賛している。
しかし、そのプロストも、2005年と2006年にルノーでF1チャンピオンになった実績を持つものの、2年間のブランクがあった当時39歳のアロンソと契約することに危惧感があったのも事実だと認め、母国フランスの『Canal Plus(カナル・プリュ)』に次のように語っていた。
「正直に言うと、彼と契約を結んだとき我々は誰もが少しばかり不安を感じていたよ」
だが、今のアルピーヌにはもはやそうした不安はなさそうだ。フランス出身の24歳のオコンは、7月末に40歳の誕生日を迎えたアロンソが噂で聞いていたような利己的で傲慢な態度を示したことは一度もないと主張している。
ドイツのテレビ局『RTL』から、どうしてアロンソにはそういう評判がついてしまったのだと思うかと質問されたオコンは次のように答えた。
「本当に分からないよ」
「彼は素晴らしいドライバーだ。歴代最高かもしれないよ。2度タイトルをとった後、40歳でああいう戦いができるなんて信じられないよ」
「僕は彼の横で多くを学んでいるし、それによってチームが前進しているんだ」
「僕たちは同じフィードバックを提供し、クルマが現在できることを105パーセント引き出しているよ」
2021年からアロンソとチームを組んだオコンだが、これまでアロンソについて「ネガティブなことをたくさん聞いていた」と認めている。しかし、オコンは今、アロンソとガレージを共有することは自分の「特権」だとしている。
「彼と一緒に仕事をするのは楽しいよ。僕たちはいいコンビだと思う」
「駆け引きもなければ、自分本位でもないし、嘘もない。僕が彼について聞いていたようなことは全くないよ。彼はものすごく大きなレーサーだよ。それだけさ」
実際のところ、オコンは自分がハンガリーで勝つことができたのはチームメートであるアロンソによるサポートがあったためだと考えている。
「彼が僕に一息つく余裕を与えてくれたんだ。ルイスが僕にもっと接近してこられたかどうかは分からない。だけど、フェルナンドがその可能性を消してくれたんだ」
そう語ったオコンは次のように付け加えた。
「彼はレジェンドだよ」