「セバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)は、チームメートのランス・ストロールを常に打ち負かすことに集中する必要がある」
そう語ったのは、ベッテルと同じドイツ出身の元F1ドライバーであるラルフ・シューマッハだ。
2020年限りでフェラーリのシートを失ったベッテルは今季アストンマーティンで新たなシーズンを迎えている。
2010年から2013年にかけて4年連続でF1チャンピオンとなった実績を持つベッテルだが、2021年シーズン序盤はなかなかアストンマーティンF1マシンにうまく適応できずに苦戦を強いられていた。
しかし、第5戦モナコGPで5位となり今季初ポイントを獲得したベッテルは、続く第6戦アゼルバイジャンGPでは2位表彰台に上る活躍を見せ、いよいよ本領を発揮し始めたかと思われた。
だが、ベッテルは第7戦フランスGPでも9位フィニッシュして2ポイントを獲得したものの、その後の第8戦から第10戦まではまたノーポイントに終わってしまっている。
こうした中、46歳のラルフ・シューマッハは、ベッテルはもっとF1に集中するべきだと考えている。
ラルフ・シューマッハが懸念を示したのは、今年に入ってベッテルが積極的に環境保護活動に関わり始めていることだ。
例えば、今年のベッテルのヘルメットはピンク色がフィーチャーされているが、これはアストンマーティンのスポンサーを務めるオーストリアBWT社のイメージカラーであり、プラスチックへの依存を減らし、透明な水道水を促進するキャンペーンに敬意を表したものだとされている。
また、先週末のF1イギリスGP終了後には、ベッテルがシルバーストン・サーキットの観客席のゴミ拾いを率先して行ったことも伝えられている。
ラルフ・シューマッハは、今年のベッテルはレースだけに集中するのではなく「ほかの多くの話題」にも目を向けすぎていると考えているようだ。
「もちろん、彼にはそうする権利がある」
「しかし、最も重要なことはチームメートをコントロールすることであるべきだよ」
ドイツの『Sport Bild(シュポルト・ビルト)』にそう語ったラルフ・シューマッハは次のように付け加えている。
「昨年はセルジオ・ペレス(現レッドブル)がストロールよりも常にコンマ2秒か3秒速かった。だから、レッドブルでペレスがマックス・フェルスタッペンと戦っているのを見れば、セバスチャンがストロールよりもコンスタントに速く走るのは簡単なはずだよ」