レッドブル首脳のヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)が、F1が新エンジン規格を導入する2025年もしくは2026年にF1参入を検討しているフォルクスワーゲンは、その新エンジンを4気筒にすることを望んでいると示唆した。
今季のF1第9戦オーストリアGPが開催された際、レッドブルリンクにF1関係者が集って新F1エンジンについての会議が行われた。そして、その参加メンバーの中にはフォルクスワーゲン傘下にあるアウディとポルシェのCEOも含まれていたことが明らかとなっている。
その会議で実際にどういうことが話し合われたのかは明らかとなっていないが、伝えられるところによれば、アウディとポルシェはF1マシンを新エンジン導入に併せて4輪駆動とすることを提案したという。
レッドブルは今年限りでホンダが撤退することを受け、2022年以降は自分たちでF1エンジン製造を続けていくことにしている。しかし、F1エンジンが次の世代へと変わるときには、レッドブルはフォルクスワーゲンとタイアップしたいという希望を抱いているとも言われている。
こうした中、マルコは『formel1.de』に次のように語った。
「私が思うに、フォルクスワーゲン側としては4気筒が好ましいと考えているだろう」
だが、伝えられるところによれば、現在F1エンジンを供給しているメーカーたちはここまで何年もかけて成熟させてきた現行のV型6気筒エンジンを継続したいと考えているようだ。
しかし、マルコは次のように続けた。
「7月中にコスト評価が行われるはずだ」
「我々の計算では新しいエンジンの方が有利なんだ。F1では8年前のエンジンを使用しているわけだが、多くの変更が必要になるだろう。特にe燃料が導入されるだけにね」
「もちろん、彼ら(フォルクスワーゲン)は、全く新たなエンジンがよいと思っている。そうすれば彼らも平等に戦うことができるからね」
「6気筒なら一番の成功を収めてきたメルセデスが有利なことに変わりはないよ」
仮に計画通り2025年に新たなF1エンジンレギュレーションを導入するとすれば、今年の夏までには詳細まで詰めておく必要があると考えられているようだ。
そうした時間的プレッシャーがかかる中、マルコによれば今週末に今季のF1第10戦イギリスGP(18日決勝)が行われるシルバーストンにおいて次のエンジン会議が開催される予定になっているという。