ルイス・ハミルトン(メルセデス)は、次戦F1イギリスGP(18日決勝)で初開催されるスプリントレース方式予選にはあまり期待できないと考えているようだ。
F1ではレース週末をさらにエキサイティングなものにするため、今年3レースで「スプリント予選」と呼ばれる新たな予選方式を試験的に導入することを決定。そしてその1回目が来週末にイギリスGPが開催されるシルバーストン・サーキットで実施されることになっている。
今年のイギリスGPでは通常とは異なり、金曜日にまずフリー走行1回目を行い、その後通常の形式での予選が行われる。
そして土曜日にはフリー走行2回目が行われ、その後行われるスプリント予選は前日に行われた予選の順位に従ってスタートすることになる。
そして100kmのレースで争うスプリント予選の順位によって、日曜日に行われる決勝のスターティンググリッドが決まることになる。ちなみに、F1の公式記録としては、このスプリント予選の勝者が正式なポールシッターとなる。
実際のところ、F1史上初めて行われるスプリント予選だけに、チームもドライバーも、まずはやってみないとどうなるか分からないというのが本音だろう。
「予選や決勝に向けて準備する時間はあまりとれない」
フェラーリのチーム代表を務めるマッティア・ビノットはそう語ると次のように続けた。
「金曜日の練習走行にはたくさんのことを詰め込むことになる。さらに、オーストリアとはまったく異なるサーキットで新しいピレリタイヤをテストすることにもなる」
「つまり、データがほとんどない状態で予選に臨むことになるわけだ。その後はパルクフェルメに入るから、かなり混沌とした週末になる可能性があるね」
こうした中、昨年ミハエル・シューマッハに並ぶ通算7回目のF1王者となったハミルトンは初開催されるスプリント予選について次のように語っている。
「どうなるか、様子を見ることにしよう」
「だけど、僕はすべてのクルマが列車のように連なって走るのを想像できるよ」
「オーバーテイクが見られることを期待しているけれど、あまりエキサイティングなものにはならないだろうね」
しかし、F1関係者の中には現在ポイントランキングトップに立つマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)にとっては通常とは異なるレースフォーマットとなることでいつものような強さを発揮することが難しくなる可能性もあるのではないかと考えている者もいるようだ。
だが、レッドブル首脳のヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)は『Motorsport-Magazine.com』に次のように語った。
「我々は何も恐れてはいないよ」
「シルバーストンはこれまでメルセデスが強いサーキットだったが、我々は自信を持って次のレースに臨むよ。今年これまでに行ったすべてのサーキットにおいて我々のマシンに勝てる力があることが分かったからね」
そう語ったマルコは次のように付け加えている。
「だから、もしもシルバーストンで勝つことができれば、タイトル獲得に関してもかなり楽観的になれるだろうね」