今季のF1コンストラクターズ選手権3位の座をマクラーレンと争っているフェラーリだが、そのために2021年型F1マシン開発を再開するつもりはないようだ。
2021年のF1コンストラクターズタイトルは現在286ポイントで首位に立っているレッドブル・ホンダとそれを44ポイント差で追うメルセデスのいずれかの頭上に輝くことはほぼ確定的だ。
現在3番手につけているマクラーレンは現在141ポイント、そしてそれを19ポイント差で追うのがフェラーリという形となっており、このどちらかが2021年のコンストラクターズ選手権3位となるのも確実だろう。
だが、フェラーリはすでに新技術レギュレーションが導入される2022年のF1マシン開発に全力を投じるために、2021年型マシンの改良は行わないことを明言している。
一方のマクラーレンは先週末にレッドブルリンクで開催された第9戦オーストリアGPには新たなシャシーと共に新しい空力パーツも持ち込んでおり、ランド・ノリスが3位、ダニエル・リカルドが7位となったことでカルロス・サインツが5位、シャルル・ルクレールが8位だったフェラーリとの差をさらに広げることに成功している。
このレースで今季3度目の3位表彰台を獲得したノリスはオーストリアGPの後で次のように語った。
「僕たちは一歩前進したよ」
「僕は、(第8戦シュタイアーマルクGP予選では)4番手でポールからはコンマ2.5秒遅れだったけれど、今回は2番手でポールからはコンマ0.5秒差だった」
「間違いなくマシンはよくなったし、運転するのも楽しくなったよ」
こうした中、マクラーレンと今季のランキング3位争いをするためには2021年型マシンの改良も必要なのではないかと質問されたフェラーリのマッティア・ビノット(チーム代表)は、「私はそうは思っていない」と答え、次のように続けた。
「オーストリアではマクラーレンがより大きく印象付けたのは事実だが、ほかのサーキットではまた変わる可能性もある」
「私は、戦いの行方は主に開発によってではなく、サーキットの特性によって左右されると考えている。だから、私はこの戦いがまだどう転ぶかは分からないと思っているよ」
ビノットは、仮に今シーズンが終わったときにフェラーリがマクラーレンに負けたとしても、そのことをあまり気にすることはないだろうと続け、次のように締めくくっている。
「我々は3位になること、もしくはマクラーレンに勝つことを目指しているわけではないからね。我々はずっと前から2022年型マシンの開発に焦点を合わせてきているんだ」