2人の元F1ドライバーが、バルテリ・ボッタス(メルセデス)が今季限りでメルセデスのシートを失うのは間違いないだろうと示唆した。
先週末にポール・リカール・サーキットで行われた今季のF1第7戦フランスGP決勝では、レッドブルのタイヤ戦略によって表彰台を逃すことが確実となったボッタスが無線を通じてチームの戦略を強い言葉で批判するという一幕もあった。
メルセデスF1チームを率いるトト・ヴォルフ(チーム代表)は、これまでそうしたことがなかったボッタスがついに自分の感情を爆発させたて自分の意見を述べたのは「素晴らしいこと」だと擁護している。
しかし、2006年にレッドブルで走ったことがある元F1ドライバーのロバート・ドーンボスは、何か腑に落ちないところがあると母国オランダの『Ziggo Sport(ジッホ・スポルト)』に次のように語った。
「彼はなぜもっと早くそう言わなかったんだろう?」
「彼は、手遅れになる前に、レースの途中でチームにそう伝えるべきだったよ。彼はチームの中で、単に何かを決めることができるポジションにいないだけのように見える」
ドーンボスは、フランスGP決勝ではほかにも「奇妙」なことがあったと次のように続けた。
「彼はどうして終盤にピットストップを行ってファステストラップを狙おうとしなかったんだろう?」
「僕に言わせれば、あの動きは奇妙だよ。僕が思うに、彼はだいぶ前に来年はもうメルセデスにはいないと言われていたんじゃないかな。ああいうコミュニケーションの問題が起きたのはそのせいじゃないかと思うよ」
「現時点では、あのチーム内にはいい雰囲気はなさそうだね」
さらに、かつてトヨタなどで活躍した元F1ドライバーのラルフ・シューマッハも、フランスでは週末を通じてボッタスがいいペースで走行していたものの、そのパフォーマンス全体を見れば「十分ではない」と考えている。
「近年、チーム外部には本当のライバルがいなかったわけだから、メルセデスは新たな状況を迎えている」
テレビ局『Sky Deutschland(スカイ・ドイチュランド)』にそう語ったラルフ・シューマッハは次のように続けた。
「そのような状況下では、どんなミスも大きな問題となってしまうんだ」
「フェルスタッペンの戦略を成功させるために、ペレスがどれほど重要な役割を果たしていたかを目にした。ボッタスはまったく同じことができていなかったよ」
しかし、7度F1王座についたミハエル・シューマッハを兄に持つラルフ・シューマッハは、メルセデスがシーズン終了前にボッタスのシートを奪うことを検討しなければならないほど状況が切迫しているとも考えてはいないようだ。
「ボッタスが先週末、あるいはモナコ(第5戦)と同じようなパフォーマンスを示すことができれば、今シーズン中にドライバー交代があるとは思わないよ」
「だけど、ボッタスがさらに調子を落とすようなことがあれば、それは間違いなく検討に値するだろうね」
「個人的には、今シーズンの彼のようなパフォーマンスを見せた後に、僕はあえてラジオで批判的な意見を言うことはなかったよ。だけど、恐らくそれには理由があるんじゃないかな」
そう語った45歳のラルフ・シューマッハは次のように付け加えた。
「恐らく、彼は自分がいなくなることを知っていて、ほかのチームに自分を売り込もうとしているんじゃないかな。僕にはほかの説明はできないよ」