アントニオ・ジョビナッツィが、2022年もアルファロメオのシートをキープできるかどうかはまだ分からないと認めた。
フェラーリのドライバーアカデミー出身であるイタリア人ドライバーのジョビナッツィは、フェラーリの支援を受けて2019年にアルファロメオのフルタイムシートを確保。だが、2020年までは目立った活躍を見せることはできなかった。
だが、今年はここまでに行われた5レースのうち4レースの予選で2007年のF1チャンピオンであるチームメートのキミ・ライコネンをしのぐ結果を残しており、第5戦モナコGPでは10位に入賞してチームに初ポイントをもたらしている。
やっとその存在感を示し始めたジョビナッツィだが、その一方でイギリス出身のカラム・アイロットやロシア出身のロベルト・シュワルツマンなど、ジョビナッツィの後輩にあたるフェラーリの若手アカデミードライバーたちが台頭してきており、フェラーリがジョビナッツィに替えてそうした若手ドライバーにF1で走るチャンスを与える可能性もあるとうわさされている。
さらに、今季ハースでF1デビューを飾ったミック・シューマッハが2022年にはアルファロメオに移籍する可能性もあると考えられているようだ。
しかし、その一方で、アルファロメオが2021年シーズンをもってF1活動から手を引く可能性もあるとのうわさもある。もしそうなれば、このチームは再びザウバーとして活動していくことになるだろうし、フェラーリからエンジン供給を受けているとは言え、同じフィアット系列のアルファロメオとして戦っている今と比べればフェラーリとの関係にも変化が生じてくる可能性があることは否定できないだろう。
アルファロメオとの契約が終わる可能性に関して質問されたチーム代表のフレデリック・バスールは次のように答えた。
「その質問はまずアルファロメオに聞くべきだよ」
「だが、我々は今後に向けた話し合いを行っているところだし、我々が今後も一緒に続けることができるよう期待しているよ」
だが、もしもアルファロメオとの契約が解除された場合には、バスールが高く評価しているフランス人若手ドライバーのテオ・プルシェールがジョビナッツィのシートを奪う可能性もあると考えられている。
プルシェールはモナコで行われた今季のF2フィーチャーレースで優勝を飾り、現在ランキング3番手につけている。
27歳のジョビナッツィは、シート争いのプレッシャーを感じているのは確かだと認め、ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に次のように語った。
「F1にはたった20人のドライバーしかいないわけだからね。だけど、僕はプレッシャーにはうまく対処できてきているよ」
「F3時代にはインドネシアのスポンサーがついていたんだけど、前進するためには結果を出す必要があることも分かっていたよ」
「そして、ここでもそれは同じなんだ。僕はいい結果を残す必要がある。そうすれば、僕は残れるだろう」
さらに、2022年のシートを確保するための計画はあるのかと尋ねられたジョビナッツィは、「いや、そういうものはないよ」と答え、次のように続けている。
「僕はいいパフォーマンスを発揮したいと思っているだけさ。僕は今アルファロメオと共にここにいる。来年どうなるかは様子を見ていくことになる」
「もちろん、ドライバーなら誰でもF1チャンピオンになるという目標を持っている。でも、それは簡単なことではないよ」
「今のところは、待つしかないね」