今季のF1第5戦モナコGPで大苦戦を強いられたルイス・ハミルトン(メルセデス)だが、このことによってチームとの間に溝が生じてきているのではないかとのうわさもささやかれている。
●【F1第5戦モナコGP】決勝レースのタイム差、周回数、ピット回数
実際、2020年に通算7回目のF1チャンピオンとなった実績を持つハミルトンは、今年のモナコGP決勝を7位で終えた後、公然とチームを批判するように次のように語った。
「僕のための教訓だったかって? いや、チームのための教訓だよ」
今年のモナコでは初日からずっと苦戦を強いられてきたハミルトンだけに、ライバルたちとまともに戦うことができなかったチームに対して大きな不満を感じているのは確かだろう。
しかし、メルセデスのチーム代表を務めるトト・ウォルフは、ハミルトンがメディアに対してチーム批判的なコメントをしているとしても、実際に彼とチームとの間に溝があるわけではないと次のように語った。
「我々とルイスの間にネガティブなものは何もないよ。我々みんなが悔しい思いをしているんだ」
「誰にだって感情の起伏があるものさ」
ともあれ、モナコでのレースを終えた時点でマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)にポイントリーダーの座を譲ったハミルトンだが、現時点での両者の差はわずかに4ポイントだ。
2018年シーズン序盤には当時フェラーリにいたセバスチャン・ベッテル(現アストンマーティン)に17ポイント差をつけられていたもののそこからすぐに逆転してみせたハミルトンだけに、もちろんまだばん回のチャンスは大いにあるだろう。
しかし、ハミルトンはバクー市街地サーキットで開催される第6戦アゼルバイジャンGPも自分たちメルセデスにとっては不利なレースとなるかもしれないと次のように語っている。
「バクーは気温が低いし、アスファルトが滑らかなんだ。僕たちはあそこでも苦戦するかもしれないね」
一方、モナコGPで今季2勝目を上げ、ハミルトンを逆転してランキングトップに躍り出たフェルスタッペンの方は、モナコではうまく行ったものの、普通のサーキットではやはりメルセデスが強いことに変わりはないはずだと警戒している。
「チームとして、ここまでのところは僕たちが一番ミスが少なかったんだ。だから上に立てたんだと思う。これからもそれを維持していけるよう期待しているよ」
モナコでのレース後にそう語ったフェルスタッペンは次のように付け加えた。
「でも、通常のサーキットでは、やはりメルセデスの方が速いと言わざるを得ないね」