レッドブルのドライバープログラム責任者として知られるヘルムート・マルコが、現在セカンドチームのアルファタウリに所属しているピエール・ガスリーをレッドブルに復帰させるつもりがないことを強く示唆した。
フランス出身ドライバーであるガスリーは、レッドブルの育成ドライバーとして2017年のF1第15戦マレーシアGPでトロロッソ(現アルファタウリ)からF1デビュー。翌2018年はトロロッソのフルタイムシートを獲得したガスリーは、ダニエル・リカルドのルノー移籍に伴い、2019年にはトップチームのレッドブルに昇格した。
ところが、なかなかレッドブルF1マシンに適応することができず、チームメートのマックス・フェルスタッペンとの差が大きく開いてしまったことからシーズン前半を終えた時点でアレクサンダー・アルボンと入れ替わりに再びトロロッソに降格されてしまっていた。
だが、アルボンも2020年シーズンには期待されたパフォーマンスを発揮することができず、レッドブルはレーシングポイント(現アストンマーティン)のシートを失うことが決まったセルジオ・ペレスを2021年にフェルスタッペンのチームメートとして選択している。
しかし、今年で11年目のF1シーズンを迎えた経験豊かなペレスもここまでのところ2021年型レッドブル・ホンダF1マシンにうまく適応することができずに苦しんでいる。
こうした中、マルコはドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に対し、次のように語った。
「この世界選手権はチームにいる2人目のドライバーによっても決まることになる」
確かに、より一貫性のあるバルテリ・ボッタスというセカンドドライバーを有するメルセデスの方が優位に戦いを進めることができるのは間違いない。
そして、マルコはさらに、31歳のメキシコ人ドライバーであるペレスの方がガスリーよりもレッドブルにはふさわしいと示唆するように次のように続けている。
「ペレスは常に改善を続けているよ」
「彼は、ガスリーがやったようにクルマを再発明しようとはしてしない。その代わり、彼はマックスを見て、彼のラップを分析し、どこを改善する必要があるのかを認識しているよ」
トップチームであるレッドブルへの復帰を望んでいるガスリーだが、最近のうわさではその可能性がないようであればほかのチームへ移籍することも視野に入れているようだと言われており、母国フランスのアルピーヌもその候補のひとつだろうと考えられているようだ。