オーストラリアの首相が、今年自分たちの国でF1が開催できるかどうかはまだ分からないと語った。
新型コロナウイルス対策により11月下旬に開催が延期されたF1オーストラリアGPだが、実際のところ現時点においても間違いなく開催できるという保証はない状況が続いている。
最近ではワクチン接種が進んでいることもあり、いくつかの国ではcovid-19(新型コロナウイルス感染症)の対策基準が緩和されつつある。
しかし、オーストラリアでは現在も海外からのcovid-19感染を防ぐために厳重な対応措置がとられ続けている。
オーストラリアのスコット・モリソン首相は18日(火)に、F1を始め、その他の国際的イベントが今年のうちに実施可能となると期待するのは「時期尚早」だと語り、次のように続けた。
「それ(F1)がオーストラリアに来る頃にはどれだけ(状況が)違っているかに注目することになる。なぜなら、彼らが移動しているほとんどの国ではcovidが蔓延しているからだ」
「オーストラリアはcovidにむしばまれているわけではない。つまり、他の国々のリスク特性とは大きく異なっている。我々はもちろんそれを保護したいと思っている」
しかし、オーストラリアGPのプロモーターである『Australian Grand Prix Corporation』の最高責任者を務めるアンドリュー・ウェスタコットは、11月下旬に予定されているメルボルンでのレースに向けた準備は順調に進んでいると主張している。
ウェスタコットは地元のテレビ局『ABC』に次のように語った。
「ご想像のとおり、これは非常に複雑なものだが、すでにかなり進行中だ。そして今、我々は政府と協力し、その詳細をひとつひとつ確認しているところだ」。
とは言え、首相が慎重な態度を示しているだけに、本当に11月21日に決勝が予定されているオーストラリアGPが計画通りに開催できるかどうかはまだ微妙なところだ。
ウェスタコットはラジオ局『SEN』に対し、今年オーストラリアGPが開催できるかどうかの最終判断は9月中旬までに行う必要があると次のように語った。
「現在検討している日程(最終判断期限)は、(サーキット)建設開始の観点から、9月13日あるいは17日頃だ」
一方、オーストラリアGPの前に行われる予定のブラジルGP(11月7日決勝)も現時点においては開催が非常に危ぶまれる状況となっている。そして、うわさではオーストラリアのメルボルンがブラジルGPの代役を務めて2レースを連続開催する可能性もあるのではないかと言われている。
しかし、ウェスタコットはそれはないと示唆するように、次のように語っている。
「ブラジルの人たちは、我々よりも2週間早くグランプリを開催することに強いこだわりを持っていると思うよ」