今年も昨年同様に新型コロナウイルス感染症covid-19の影響を受けているF1だが、今季の第12戦に位置づけられているスパ・フランコルシャンでのF1ベルギーGP(8月29日決勝)は2019年のときとほぼ同じ程度の観客を迎え入れる可能性が高くなってきているようだ。
スパ・フランコルシャン・サーキットのピエール・ワテレ会長によれば、ベルギーの関係当局は8月下旬に開催されるベルギーGPを通常の状態に戻すことを許可する準備を整えているという。
「ワクチンの接種数は順調に推移しているようだ」
オランダの日刊紙『Algemeen Dagblad(アルゲメン・ダグブラッド)』にそう述べたワテレ会長は次のように続けた。
「今はまだ5月だが、8月末の話をしているところだ。政府と何度も話し合ったし、彼らは我々がリスクを取らずにグランプリを開催できることを理解しているよ」
「もちろん、約7kmのサーキットではすべてを屋外で行うことができる。まだまだやるべきことは多いし、慎重に行動しなければならない。事態が急変する可能性もあるからね。しかし、希望はあるし、それはとてもいいことだ」
ベルギーGPの翌週にはオランダGPの開催が予定されているが、その舞台となるザントフォールト・サーキットはスパからそれほど離れてはいない。ワテレ会長はザントフォールトでも1週間後に無事にF1が開催されることを願っていると次のように続けた。
「ザントフォールトにとって有利な点はすべてのチケットがかなり前に完売していることだ。発表が多少遅くなっても、それは問題ないよ」
しかし、ザントフォールトには不利な点もあるとワテレは言う。それは、ベルギーGPはスパ・フランコルシャン・サーキットが属しているワロン州政府が財源の大部分を担っているものの、ザントフォールトには公金がほとんど注ぎ込まれていないことだ。
「彼らにとっては政府からの信頼を得るのが少し難しいんだ」
そう語ったワテレは次のように続けた。
「だが、私はザントフォールトの人たちを知っているし、彼らは正しい場所に自分たちの価値を有している」
「建設的であり続けるようにと言うこと以外、私にザントフォールトにアドバイスできることはない。私たちのイベントは、ファンにとっても、F1にとっても、経済的にも非常に重要だと考えている。だが、最も重要なことは人々の安全だ」
「サーキットの信頼性のためには、愚かなことやリスクを冒すことは許されないよ」
しかし、ワテレは「観客がいないところで行われるF1はF1ではない。それはこのスポーツから魂をうばうものだ」とも主張し、それゆえ2021年のスパ・フランコルシャンとザントフォールトでの2連戦では観客席がオレンジの服を着た人たち(オランダ人ドライバーであるマックス・フェルスタッペンのファン)で埋まることを願っていると次のように続けた。
「スパではここ数年マックス・フェルスタッペンには一度もチャンスがなかった。今年は違ってくる」
「多くの人たちが『今年はスパ-ザントフォールトをやるぞ」と言ってくれることを願っているよ』