レッドブルが“曲がりやすい”リアウイングの恩恵を受けているのではないかとの指摘があったことに対し、F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)がそれを監視していくことを明らかにした。
今季のF1第4戦スペインGPが開催された先週末のバルセロナにおいて、現F1チャンピオンであるルイス・ハミルトン(メルセデス)がレッドブルは“曲がりやすいリアウイング”によってストレートでアドバンテージを得ているという趣旨の発言を行っていた。
これに対し、レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは「FIAは我々のマシンに完全に満足しているし、それは様々な厳しい検査をすべてクリアしている」と反論していた。
だが、「FIAが完全に認めている」というのはホーナーの楽観的観測だったかもしれない。
実際のところ、FIAの技術責任者を務めるニコラス・トンバジスはF1チームたちに対し、F1マシンのパーツに「過度のたわみ」がないかどうかを今後必要に応じてチェックしていくことにするとの通達を出したことが明らかとなった。
「ルールに則ったリアデザインであっても、走行中に過大なたわみが発生するケースがあることに気付いた」
かつてマクラーレンやフェラーリでF1マシン設計責任者を務めた経歴を持つトンバジスはそう語ると、さらにその“たわみ”は「マシンの空力パフォーマンスに大きな影響を与える可能性がある」と指摘し、次のように続けている。
「我々はリアウイングの変形により変則的な挙動がないかどうかを注視していくことになる」
「また、こうしたエリアから利益を得ていると示唆するような特性が見られた場合には、必要に応じてさらに荷重たわみ試験を導入することになる」