【ファステストラップ】1ポイントを争うボッタス、フェルスタッペン、ペレスの激しいバトル！／F1第3戦ポルトガルGP
F1第3戦ポルトガルGP決勝レース（66周）がアルガルベ・サーキットで行われ、優勝はルイス・ハミルトン（メルセデス）、2位はマックス・フェルスタッペン（レッドブル・ホンダ）、3位はバルテリ・ボッタス（メルセデス）、4位はセルジオ・ペレス（レッドブル・ホンダ）で、メルセデス対レッドブル・ホンダという直接対決がハッキリ見えたレースだった。
●【F1第3戦ポルトガルGP】決勝レース結果、タイム差、周回数、ピット回数
■ファステストラップの1ポイント争いの火蓋が切られた
レース終盤、ファステストラップの1ポイントを巡って激しい戦いが行われた。
まず動いたのはペレスだった。ただ1人、51周目までピットストップを引き延ばしたペレスは、トップを走行していた。ペレスの役割は実質トップのハミルトンを少しでも長い時間ブロックすることでフェルスタッペンがハミルトンに追いつけるようにすることだった。しかし51周目のホームストレート、DRSを使ったハミルトンはあっさりとペレスを抜き去った。
そして51周目の終わり、ペレスは1回目のピットストップへ向かった。ミディアムタイヤから交換したのはソフトタイヤだった。ペレスの次のミッションはファステストラップの1ポイントだった。そして55周目、ペレスはそのミッションをやり切り、1分20秒643を叩き出すとファステストラップをハミルトンから奪った。
■残り3周、メルセデス、動く
しかし、ファステストラップを奪われた王者メルセデスも黙ってはいない。3位ボッタスが4位ペレスとの差を約28秒まで広げると、残り3周となった63周目の終わりにボッタスをピットへ呼んだ。ピットストップでロスする時間は約25秒だ。何もなければ約3秒差を保ったままコースに復帰できる。しかし、もしピットストップでミスをすれば、3位を奪い取られるリスクもあったが、メルセデスはボッタスとピットクルーを信じて＋1ポイントを獲りにいった。
ボッタスとピットクルーは2.7秒でハードからソフトタイヤに交換し、無難にピットストップを終えると3秒以上の差を保ったままペレスの前でコースに復帰した。タイヤが温まっているペレスもペースを上げるが、残り3周でニュータイヤに履き替えたボッタスは全力で逃げ、ファステストラップの1ポイントを獲りにいった。
■残り2周、1ポイント争いにフェルスタッペンも参戦
ボッタスが入った翌周の64周目の終わりに、今度はレッドブル・ホンダのピットが動いた。2位のフェルスタッペンを呼んだのだ。レッドブル・ホンダとしては好調なハミルトンから1位を獲るのは難しいと判断し、ファステストラップの1ポイントを獲りにいったのだ。
この2台の動きを聞いたハミルトンは、「僕らもやる？」とファステストラップの1ポイント争いに参戦したがったが、すでにファイナルラップに差し掛かっていたため時すでに遅し。よって、ファステストラップ争いはボッタス、フェルスタッペン、ペレスの戦いになった。
■ペレス→ボッタス→フェルスタッペン→ボッタス
65周目、アタックをしたボッタスは狙い通りペレスのファステストラップを塗り替えた。タイムはなんと1分19秒865というペレスを0.8秒も上回るタイムだ。ペレスはすでに10周以上も走った中古のソフトタイヤでは戦えない。残るはフェルスタッペンの一発に注目が集まった。
そして注目の66周目、ラストラップでアタックをしていたフェルスタッペンがセクター1を全体ベストの23.186で駆け抜けた。続くセクター2では自己ベスト更新。そして注目のセクター3を駆け抜けてチェッカーフラッグを受けると、1分19.849のファステストラップを叩き出した！レッドブル・ホンダとフェルスタッペンはチャンピオンシップ争いで重要になるであろう貴重な1ポイントを取り返した。F1ドライバーたちの本気の激しい戦いだった。
フェルスタッペンが勝ち取ったと思われた激しいファステストラップの1ポイントだったが、ドライバーがマシンを降りる頃に、レースコントロールから「フェルスタッペンのファステストラップを抹消する」という発表が出された。理由はセクター3のターン14でのトラックリミット違反だった。
レース後のインタビューで「タイム抹消」について聞かされたフェルスタッペンは、「え？ターン14でトラックリミットの違反は取ってなかったと思うんだけど・・・」とガッカリしていた。
よって、最後の最後にファステストラップの1ポイントを獲ったのはボッタスとなったが、3台による終盤の激しいバトルだった。
1週間後に行われるF1スペインGPでも、メルセデスvsレッドブル・ホンダの戦いは激しさを増すことだろう。
