元F1ドライバーのゲルハルト・ベルガーは、2021年に向けてF1が行った空力ルール変更はメルセデスやアストンマーティンの弱体化を狙ったものではないと考えている。
メルセデスとの技術提携契約によって昨年は“ピンクのメルセデス”と揶揄されるほどのパフォーマンスを見せたレーシングポイントだが、アストンマーティンとチーム名が変わった今年はパフォーマンスが大幅に低下してしまっている。
今年は2014年以降F1タイトルを独占し続けてきた現チャンピオンチームのメルセデスもレッドブル・ホンダを追いかける立場となったと考えられているが、アストンマーティンではこれは今年導入された空力ルール修正によるものであり、それはレーキ角(マシンの前傾角度)が小さいマシンコンセプトを持つ自分たちとメルセデスを狙い撃ちにしたものだと主張している。
だが、かつてマクラーレンやフェラーリで活躍した61歳のベルガーはそうは考えていないようだ。
「私は、メルセデスとアストンマーティンを遅くするためにルールが修正されたなどとは考えていないよ。全くね」
「もしそうであれば、メルセデスに対してだけ手を打てばよかったんだ。それはさておき、新ルールを理解するチャンスは全てのチームに平等に与えられていたんだ」
ドイツの『Sport Bild(シュポルト・ビルト)』にそう語ったベルガーは次のように付け加えた。
「それに、1500人ほどの従業員を抱えるチームでは、自分たちの力を証明したいと思っているエンジニアたちは実際のところルール変更を歓迎するものなんだ」