F1開幕戦バーレーンGPで3人の新人がデビューしたが、その中で世界的に最も知られた名前はミック・シューマッハ(ハース)だろう。
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ミック・シューマッハは、22歳でF1にデビューしたが、偉大な父親のミハエル・シューマッハも実は同じ22歳でのF1デビューだった。
■父ミハエル、30年前の22歳で突然のF1デビュー
ミハエル・シューマッハがF1にデビューしたのは、今から30年前の1991年8月のF1第11戦ベルギーGPだった。初めてのF1で予選7番手というセンセーショナルなデビューを飾り、世界中を驚かせた。
ミハエルのF1デビューのきっかけは、当時ジョーダンチームのドライバーだったベルトラン・ガショーが傷害事件で逮捕されてしまったことで急遽代役が必要となったためだった。
そこへ、ミハエルのレース活動をサポートしていたメルセデスが、F1参戦1年目のジョーダンに持参金を持ち込むことでミハエルのF1デビューが決まるという大変珍しい形だった。のちにF1史上最多の7度の王者となる皇帝ミハエル・シューマッハでさえも、最初は持参金を持ち込んでのF1デビューだったのだ。
ミハエルは十分な準備期間もない状況にもかかわらず、『7up(セブンアップ)』の鮮やかなグリーンのカラーリングをまとったジョーダン191を駆り、F1参戦1年目のチームのシーズン最高位タイとなる予選7番手タイムをF1デビューしたばかりの新人が叩き出す。F1に11年も参戦しているチームメイトのアンドレア・デ・チェザリスを軽く上回ってしまったのだ。残念ながら決勝レースはクラッチトラブルにより0周リタイアとなってしまった。
■弱小ハースでF1を学ぶミック・シューマッハ
ミック・シューマッハは前年F2王者というタイトルを引っさげてのF1デビューだが、契約をしたハースのパフォーマンスは低く、厳しい戦いになるのは明白だ。
父ミハエルは運も味方につけて一気にF1界の頂点へ上り詰めたが、息子ミックはしっかりと準備しながら結果を残していくタイプだ。今年はF1での戦い方をしっかりと学ぶ年になるが、多くの2世ドライバー同様、名前だけでは残れない厳しい世界でもある。
偉大な父と同じ22歳でF1デビューを果たした息子ミックは、デビュー戦でどんな走りを見せてくれるだろうか。