2021年F1シーズンはいよいよ今週末のF1バーレーンGP(28日決勝)で開幕を迎える。
今年のF1には3人のルーキードライバーが登場するが、その中でも最も注目を集めることになるのは7回F1チャンピオンとなったミハエル・シューマッハの息子であるミック・シューマッハ(ハース)かもしれない。
だが、かつてミナルディのオーナーとしてF1で戦った経験を持つジャンカルロ・ミナルディは、今年のルーキーの中で一番素晴らしい活躍を見せるのはアルファタウリ・ホンダでデビューする日本人ドライバーの角田裕毅だと考えている。
「それは角田だよ。間違いないね」
母国イタリアの『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』にそう語った73歳のミナルディは次のように続けた。
「彼のクルマがシューマッハのものよりかなりいいのも確かだ。だが、私は全体的に見て角田の方がいいドライバーだと思っている」
「私は彼がイモラで2年落ちのクルマで走るのを見たんだが、感心させられたよ。彼はすごくよくなった」
レッドブルのドライバープログラム責任者として知られるヘルムート・マルコは先週、2020年のF2選手権でもしも角田のマシンに技術的トラブルがなければ、シューマッハではなく角田がチャンピオンになっていただろうと語っていた。
ミナルディも同じ意見のようだ。
「F2では中団からのスタートだったが、角田はベストドライバーの1人となった」
「彼の秘密は日本人のやり方にもあるんだ。彼らはとても謙虚だ。しかし、角田はそれに加えて強い覚悟を持ち、素晴らしく速いよ」
ミナルディは自身が設立したミナルディF1チームを率いて1985年からF1に参戦。小規模プライベートチームだけに大きな実績こそ残すことはできなかったが、片山右京や中野信治といった日本人ドライバーが所属していたこともあり、日本でもおなじみのチームだった。
そして2005年シーズンを最後にミナルディは世界的エナジー飲料メーカーであるレッドブルにチームを売却。2006年からトロロッソと名前を変えたチームは昨年からアルファタウリにチーム名称を変更。今年はそのチームから角田が7年ぶりの日本人F1ドライバーとしてデビューを迎えることになる。