2022年にF1復帰を目指すニコ・ヒュルケンベルグが、今年は3チームでリザーブドライバーを務める可能性が浮上してきているようだ。
2019年限りでルノーのシートを失ったドイツ人ドライバーのヒュルケンベルグだが、ほかのチームとの移籍交渉はまとまらず2020年はシートを確保することができなかった。
しかし、レーシングポイントのセルジオ・ペレス(現レッドブル)とランス・ストロールが新型コロナウイルスに感染したことで同チームから3レースに代理出走したヒュルケンベルグは全くと言っていいほど準備ができていない状況だったにもかかわらず素晴らしいパフォーマンスを発揮し“スーパーサブ”との称号さえ与えられていた。
今年もシート確保はならなかったヒュルケンベルグだが、今年はメルセデスとリザーブドライバー契約を結ぶことがほぼ確実だと伝えられるとともに、昨年の実績をもとにアストンマーティン(旧レーシングポイント)でも同じくリザーブを務めることになると考えられている。
そしてさらに、最近のうわさでは今年ルノーエンジンからメルセデスエンジンにスイッチしたマクラーレンもヒュルケンベルグにリザーブドライバーの役割を委ねることを検討しているようだと言われている。
つまり、ヒュルケンベルグには3チームのリザーブドライバーを務める可能性が出てきているわけだが、今年のヒュルケンベルグにはもうひとつ別の仕事も決まっている。それはオーストリアのテレビ局『Servus TV(セアヴスTV)』でF1解説者を務めることだ。
「リザーブドライバーとテレビ解説者の2つの仕事は調整可能だよ。そうじゃなければそういう話もなかっただろう」
そう語ったヒュルケンベルグは次のように続けた。
「テストドライバーの仕事に関わることができる限り、それはすごく前向きだと思う。今はその話をまとめているところだよ」
「だけど、それはフルタイムの仕事ではない。だからセアヴスTVの仕事と両立させるのも簡単なんだ」
「(テレビでは)常にかつてのライバルたちを批判し、悪口を言いまくって彼らのシートを奪うんだ」
そうジョークを付け加えたヒュルケンベルグは、今はF1との関係を維持しておくことが復帰に向けて重要なことだと次のように続けている。
「真面目な話、僕は現実的である必要がある。それ(F1復帰)は簡単ではないだろう」
「一方で、このようにcovidが蔓延しているときには何が起きるかなんて分からない。水晶玉で占うようなものだよ。だからこそレース現場にいることが重要なんだ」
「もし復帰することができれば、それは大成功ということになるね」とヒュルケンベルグは締めくくった。