今年ウィリアムズで3年目のF1シーズンを迎えるジョージ・ラッセルが、2022年にトップチームのメルセデスで走ることができるという保証はいと語った。
メルセデスの育成ドライバーとして2017年にGP3チャンピオン、2018年にF2チャンピオンとなったラッセルは2019年にメルセデスがエンジンを供給するウィリアムズでF1デビュー。昨年のF1第16戦サヒールGPでは新型コロナウイルスに感染して欠場となった現チャンピオンのルイス・ハミルトンの代役としてメルセデスから出走し、予選で2番手タイムを刻むと、決勝ではチームのピット作業ミスさえなければ優勝していたはずの素晴らしい走りを見せた。
その活躍でさらに評価を高めたラッセルだが、現在のウィリアムズとの契約が今年で満期を迎えることもあり、2022年にはトップチームのメルセデスに昇格する可能性が高いともうわさされている。
ラッセルが加入する1年前の2018年からずっと最下位に沈んでしまっていたウィリアムズだが、ついに2020年シーズン途中にオーナーが変わり、今年はかつてフォルクスワーゲンのレース責任者を務めていたヨースト・カピートを新CEOに迎えるなど、新体制で新たなシーズンに臨むことになっている。
だが、2021年は原則として2020年型マシンをベースとしたF1カーで戦うことになっており、ウィリアムズが今年大きく飛躍する可能性は小さいのが現実だろう。
ラッセルは今年の目標は「最下位からの脱出」だと語ると次のように続けた。
「新しいフェラーリエンジンは、間違いなくそれを搭載するチームを速くするだろう。だけど、その一方で僕たちも冬の間にいい仕事をしてきた」
「投資が行われたし、何人か優秀な人材も増えた。そしてメルセデスとの関係も拡大しており、今後もさらなる発展が期待できるよ」
しかし、本来メルセデス所属ドライバーであるラッセルにとって最大の望みはメルセデスのフルタイムシートを確保することに間違いはないだろう。
「現時点では、僕はこのチーム(ウィリアムズ)のことしか考えていないよ」
2月に23歳になったばかりのラッセルはそう語ると次のように続けた。
「今年の中盤までには、僕にとってどのように物事が進んでいくのかが見えてくるはずだ。僕は自分のパフォーマンスに集中して前進を続けるだけさ。そうすれば、いつかはチャンスが来ると思っている」
「だけど、2022年に向けて約束されていることは何もないんだ」
「2022年は変わるのには最適な年だと言えるだろうね。だけど、それを決めるのは僕ではないんだ。昨年のバーレーンのときのようなチャンスがあれば、もちろんそれを両手でつかむだろうけれどね」
そう語ったラッセルは、メルセデスのチーム代表を務めるトト・ヴォルフは自分をちゃんと評価してくれているはずだと次のように締めくくっている。
「トトはメルセデスの将来には僕が不可欠だと言ったんだ。そして僕はその言葉を額面通りに受け止めているよ」