アルファロメオのリザーブドライバーを務めるロバート・クビサが、F1が今季試験導入を計画している“スプリントレース”に疑問を呈した。
F1では今年のF1第7戦カナダGP(モントリオール/6月13日決勝)、第14戦イタリアGP(モンツァ/9月12日決勝)、そしてブラジルのインテルラゴス・サーキットで開催される第20戦サンパウロGP(11月7日決勝)の3レースで試験的にスプリントレースを導入する計画を進めている。
伝えられるところによれば、その3レースでは金曜日に1回のフリー走行を行った後、土曜日に行われるスプリントレースのスタート順を決める予選が行われる。そして土曜日に通常の決勝レースよりも短い距離、短い時間でスプリントレースが行われ、その結果で日曜日に行われる決勝レースのスタート順が決められることになるようだ。
そして、そのスプリントレースでも1位から8位にまでポイントが付与される計画のようだ。
先週、アルファロメオのフルタイムドライバーであるアントニオ・ジョビナッツィはスプリントレース導入には賛成だと次のように語っていた。
「僕はすでにF2でそれに近い経験をしてきた。F1ではリバースグリッドはないけれどね」
「でも、僕はF1もこのやり方を試すべきだと思っているし、それがどういうふうに展開していくのかにすごく興味があるよ」
だが、ポーランド出身ドライバーであるクビサはそうは思っていないようだ。2019年にウィリアムズでF1復帰を果たしたものの1年でそのシートを失ってしまったクビサは次のように語った。
「僕はもう(レース)ドライバーではないから、より観客に近い視点から見ているんだ」
「僕は週末のフォーマットがF1の見所を増すことにおいて重要なものだとは思っていないよ。僕は今のままがいいと思う」
「僕は、土曜日に予選をやって日曜日に決勝をやるのがこのスポーツのDNAに刻まれているものだと思っている。金曜日に予選セッションが行われるのはファンにとっては奇妙なものになると思うよ」
一方、アルファロメオのチーム代表を務めるフレデリック・バスールが今週、36歳のクビサには今年「少なくとも2か月に1度」は2021年型F1マシンで走行させたいと考えていることを明らかにしている。
だが、クビサはスプリントレースが導入されればそれも計画通りには行かなくなる恐れがあると感じているようだ。もしも金曜日に予選が行われることになれば当然自分に出走するチャンスがあるはずのフリー走行が減ってしまうからだ。
母国ポーランドからチームにタイトルスポンサーの『ORLEN』を持ち込んでいるクビサは次のように語った。
「僕の仕事で一番いいのはF1マシンの運転を続けられることだ。最悪なことはほかの連中のレースを見なくてはならないことだね」
「幸いなことに僕はまだスポーツカーレースのプログラムがある。生粋のレーサーであれば当然のことながら一番やりたいのはF1レースだからね」
「それ(スプリントレース)についてはまだ詳細な検討が必要だよ」
「以前は金曜日に90分のセッションが2回行われていたものが、(2021年は)1時間のセッションが2回になるだけに、さらに状況が厳しくなっているんだ」
クビサはそう語ると、次のように付け加えた。
「最終的にはフレデリック・バスールが決めることだけれどね」