アルファタウリのチーム代表を務めるフランツ・トストが、レッドブルが求めている2022年からのF1エンジン開発凍結が合意に至るかどうかはまだ分からないと示唆した。
仮にレッドブルが提案しているエンジン開発凍結にライバルチームたちが合意すれば、レッドブルはホンダからF1エンジンの製造に関する権利を譲り受け、自分たちで2022年から2024年まで独自にエンジン製造を続けていくことになる。
2025年には新たなエンジンルールが導入される予定となっており、そのルール次第では新たなエンジンサプライヤーが参入する可能性もあると考えられており、レッドブルはその時点で新エンジンパートナーと手を組むことになるだろう。
ともあれ、それまではエンジン開発凍結が認められなければ基本的に2021年仕様のホンダエンジンを2024年まで使い続けることを計画しているレッドブルがそれを進めたとしても、どんどんじり貧になっていくのは間違いないだろう。
こうした中、ハースのチーム代表を務めるギュンター・シュタイナーはドイツのテレビ局『n-tv』に次のように語った。
「私は凍結に賛成だよ。誰かが常に勝つ状況であれば競争にはならないからね」
「私は素晴らしい仕事をしたメルセデスを批判するつもりはないよ。しかし、我々はこのスポーツを競争があるものにしておかなくてはならない。そうじゃないと退屈なものになってしまうからね。ニキ(ラウダ/元メルセデス非常勤会長/2019年没)もそう言っただろうと思うよ」
「我々は自分たちのためにレースをしているのではない。我々は観客のためにレースをするんだ。一歩下がって二歩進むのだと言うくらいの大人の対応をしなければね」
うわさではエンジン開発凍結に賛成するチームが過半数を占める可能性は高いと言われている。だが、トストは安心するのはまだ早いと考えているようだ。
「これは大手メーカーによるいつものゲームなんだ」
「彼らが合意すると言い続けているとしても、基本的には彼らの本音は違うんだ。彼らは時間を稼いでいるだけだよ」
もしエンジン開発凍結が否決された場合にはどうなるのかと質問されたトストは、レッドブルにはかつてエンジンパートナーを務めていたルノーと再び手を組むという選択肢はいだろうと次のように答えている。
「パワーユニット(エンジン)がなければ難しいね」
「ルノーにはワークスチームがあるから、我々がうまく戦えるだけのパワーユニットが得られるとは想像しがたいよ」
「レッドブルとマテシッツ(レッドブルのオーナーであるディートリッヒ・マテシッツ)の求めているものは違うと考えなくてはならない。彼らはF1タイトル争いをすることを望んでいるんだ」
「彼らには適切な材料が必要なんだ」
レッドブルは仮にエンジン開発凍結が実現しなければ自分たちがF1を継続していくことは難しいと示唆しており、最悪の場合にはレッドブルとアルファタウリがF1から去る可能性もないわけではない。
そのエンジン開発凍結に関する投票は2月11日に行われる世界モータースポーツ評議会において行われる予定だと伝えられている。