フェラーリが近いうちにインディカー・シリーズに参戦する可能性は消えたようだ。
インディカー・シリーズのオーナーとなったロジャー・ペンスキーは昨年、フェラーリとインディカー参戦に関する話し合いを行っていることを明らかにしていた。
F1では今年からバジェットキャップと呼ばれるチーム予算上限値が導入されることになるが、これまで多額の予算を投入しF1プログラムを大規模に展開していたチームは予算を削減するためにチーム規模も縮小せざるを得ない状況を迎えている。
こうした中、フェラーリでは新たにインディカー・プログラムを立ち上げ、そこにF1チームで生じる余剰人員を投下することも検討していたようだ。
しかし、最近の報道によれば、フェラーリではハースとの協力関係をさらに強化し、その一環としてフェラーリ本部があるマラネロの自社敷地内にハース専用ビルを設け、そこにフェラーリからもスタッフを何人か常駐させることによりフェラーリF1プログラムのスリム化が実現できる見込みが立ったようだ。
もちろん、フェラーリとハースの関係強化の背後にはフェラーリの契約下にあるミック・シューマッハが今季ハースからF1デビューを飾ることがある。
ともあれ、こうしたことからフェラーリでは当面インディカーへの参戦は見送ることを決定したようだ。
「話し合いを行ってきたが、すぐにはインディカーに参戦しないという結論に達した」
フェラーリのチーム代表を務めるマッティア・ビノットはドイツの『Speed Week(スピードウィーク)』にそう語ると次のように付け加えた。
「中長期的には可能かもしれないが、今はF1に集中的に投資したいと思っている」