メルセデスF1チームを率いるトト・ヴォルフは、セルジオ・ペレスが加わった2021年のレッドブル・ホンダは「さらに強くなった」と警戒を強めている。
2014年以来F1ドライバーズタイトルとコンストラクターズタイトルを7年連続で独占し続けているメルセデスだが、2020年もルイス・ハミルトンが圧倒的な強さを見せて通算7回目のドライバーズタイトルを獲得。ハミルトンは現在ミハエル・シューマッハと並ぶ史上最多F1タイトル獲得記録保持者となっており、いまだメルセデスとの契約締結には至っていないものの、2021年は単独最多記録となる通算8回目のタイトル獲得に挑戦することになる。
そのメルセデスにとって2021年に最大の脅威となるのはマックス・フェルスタッペンを擁するレッドブルだろう。2020年はメルセデスのバルテリ・ボッタスに9ポイント差でランキング2位の座をゆずったフェルスタッペンだが、リタイア数がボッタスの1回に対してフェルスタッペンは5回もあったことが大きく響いたのは確かだ。
もしもマシンの信頼度や予期せぬアクシデントに巻き込まれるといったことさえなければ、フェルスタッペンがボッタスの上に立ち、ハミルトンとタイトル争いをすることができていた可能性もある。
さらに、メルセデス勢は2台が常に上位を走行できていたのに対し、レッドブル・ホンダはアレクサンダー・アルボンがなかなか力を発揮できず、フェルスタッペンは常に孤軍奮闘という形を強いられていたという事実もある。
こうしたことを受け、レッドブルでは2021年シーズンに向けてアルボンを降格し、レーシングポイントのシートを失った経験豊かなペレスの起用を決めたものだ。
ヴォルフも母国オーストリアのテレビ局『ORF』に対し、今年のレッドブルはさらに強敵になるだろうと次のように語った。
「レッドブルはペレスが来たことでもっと強力になった」
「結果として、彼らはコンストラクターズタイトル争いにおいてこれまでよりもかなりいいパフォーマンスを見せてくるだろう。セルジオは強いドライバーだし、彼がどれほどフェルスタッペンに対応できるのかが非常に興味深いね」
ヴォルフは、コンストラクターズタイトルのみならず、2021年にはレッドブル・ホンダがドライバーズタイトル争いにもからんでくる可能性も高いと考えているようだ。
「マシンは昨年のものから大きく変わることはない。だが、レッドブルはより速いドライバーを得たし、ホンダもF1エンジンサプライヤーとして最後の年になるから全力でタイトルを狙ってくるだろうね」
そう語ったヴォルフは次のように付け加えた。
「非常に興味深いシーズンになるだろうね」