2009年のF1チャンピオンであるジェンソン・バトンが、F1キャリアをスタートさせたウィリアムズと複数年契約を締結し、シニア・アドバイザーとしてチームに復帰することが発表された。
21年前の2000年、20歳のイギリス人F1ルーキーとして母国イギリスのレーシングチームの名門ウィリアムズからF1デビューを果たしたバトンは、新生ウィリアムズと複数年契約に合意し、再びチームに復帰することになった。
2000年、バトンはチーム創設者のフランク・ウィリアムズ卿からシートを与えられ、ラルフ・シューマッハとともにシーズンを戦った。複数回のポイントフィニッシュを果たし、その年の最高位はドイツGPでの4位だった。
バトンはその後、ベネトン、ルノー、BAR、ホンダ、ブラウン、マクラーレンで2016年までドライブし、2009年には世界タイトルを獲得した。そのF1キャリアはグランプリ優勝回数15回、表彰台獲得回数は50回を記録。最近はF1解説者やDTMのチーム共同オーナー(ジェンソン・チーム・ロケットRJN)としても活躍している。
バトンはウィリアムズで、30年以上のモータースポーツの経験を生かし、レースドライバーとアカデミードライバーたちのサポートや、開発支援、グローブのチームにアドバイスと指導することになるという。
2021年シーズンは、ウィリアムズの一員として多くのグランプリに帯同し、イギリスでチームイベントにも参加する予定だ。また、必要に応じてウィリアムズのメディア対応とマーケティング活動をサポートするという。その傍ら、バトンは、スカイスポーツF1のエキスパートアナリストとしてメディア業務を継続するという。
■バトン「フランク・ウィリアムズには永遠に感謝」
チームに復帰することになったバトンは次のように述べている。
「ウィリアムズと契約したともう一度言えることをとても嬉しく思っているよ。19歳当時、僕の人生が一変した瞬間だった。20年以上前のことだけど、昨日のことのような気がするよ」
「フランク・ウィリアムズ卿は僕を信じてくれたんだ。永遠に感謝するよ。チームは成功を目指して努力しているところだし、チームに戻ってきてサポートする機会を得られてとても嬉しいよ」
「やるべきことはたくさんあるけど、この素晴らしいチームの未来は信じられないほど明るいことは間違いない。仕事を始めるのが待ちきれないよ」。
■新CEOカピト「素晴らしいことだ」
ウィリアムズ・チームは2020年、アメリカの投資会社ドリルトンキャピタルに買収され、創設者のフランク・ウィリアムズ卿と娘のクレアは辞任。暫定チーム・プリンシパルにはサイモン・ロバーツが任命されていたが、元マクラーレンのボスであるヨースト・カピトがウィリアムズの新CEOに就任した。
ウィリアムズの新CEOであるヨースト・カピトは、次のように述べている。
「ジェンソンを復帰させることは、トラック内外においてチームとして前進するためにもう1つのポジティブなステップになる。ジェンソンは常にチームの友人であり、ウィリアムズ・ファミリーに戻ってくることは素晴らしいことだ」
「2000年当時、フランク卿はジェンソンのドライバーとしての才能を見いだし、彼にF1での最初のチャンスを与えたんだ。彼は世界選手権で栄光を獲得し、その最初の約束を十分に果たした」
「最近の彼は、ビジネスとTV放送のどちらの世界でも優れた洞察力を示し、パドックでは多くの人に尊敬されている人物であり続けている。このすべての経験は、技術的にもビジネスとしても、我々の変革に新たなレイヤーを加えてくれるだろう。(本拠地)グローブの誰もが彼を非常に尊敬していることを私は知っているよ。彼と共に仕事を始められることを嬉しく思うよ」。