アストンマーティンF1チーム(前レーシングポイント)のオーナーであるローレンス・ストロールが、2021年のF1開幕戦として予定されているオーストラリアGPは“延期”されることになると語った。
2021年F1カレンダーでは過去最多となる23戦が計画されている。だが、3月21日に決勝が予定されている開幕戦オーストラリアGPの舞台となるメルボルンでは現在も厳しいcovid-19対策がとられている。
さらに、多くのF1チームがファクトリーを構えるイギリスでは新型コロナウイルスの変異種が流行していることもあり、今年もアルバート・パーク・サーキットで予定通りの日程でレースを行うのは難しい状況となってきている。
うわさでは、近いうちにオーストラリアGPの中止もしくは延期が発表されることになりそうだと言われているが、ドイツの『Speed Week(スピードウィーク)』はストロールがそれを裏付けるように次のように語ったと報じている。
「まだ正式発表はされていないが、そうなるだろう。キャンセルではなく延期だ」
「我々は秋にそこ(メルボルン)へ行くことになるだろう。最初のレースはバーレーンで行われることになる」
伝えられるところによれば、チェイス・キャリーの後任として今年からF1最高責任者のポジションに就いたステファノ・ドメニカリが今月4日(月)にF1チームの代表者たちとテレビ会議を行い、そこでオーストラリアGPの開催延期を伝えたものと考えられている。
また、2014年シーズン序盤までフェラーリのチーム代表を務めていたことでも知られるドメニカリは、3月初旬にスペインのバルセロナで行う予定となっている公式シーズン前テストも3月12日(金)から14日(日)までバーレーン・インターナショナル・サーキットで行うことに変更する方針であることをチーム代表たちに伝えたようだ。そしてその2週間後の3月28日(日)に同じバーレーンで2021年のF1開幕戦が行われることになるわけだ。
さらに、本来であれば第3戦として上海で行われる予定の中国GP(4月11日決勝)も開催が危ぶまれていると伝えられている。
その次の第4戦(4月25日決勝)は現時点では開催地未定となっているが、それらの日程にポルトガルのアルガルヴェ・サーキットとイタリアのイモラ・サーキットでのレースが割り振られることになる可能性が高いと考えられているようだ。
「残念ながら、今後数か月は困難な状況が続くだろう。ワクチンが登場したことでトンネルの先に出口の光が見えてきてはいる。だが、F1世界選手権の序盤は間違いなく厳しいものになるだろう」
そう続けた61歳のストロールは次のように付け加えた。
「我々は最悪の経験をしてきたものの、予防措置的にレースを行う方法についても多くを学んだよ」