2020年F1最終戦アブダビGPではレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンがメルセデス勢を抑えてポール・トゥ・ウィンを達成したが、メルセデスはこのレースにフルパワーで臨んでいたわけではなさそうだ。
伝えられるところによれば、レッドブル・ホンダの関係者がそのレースでのメルセデスは「通常よりもコンマ5秒遅かった」と語ったという。
『f1-insider.com』は、メルセデスはエンジンの信頼性に不安を抱えていたことからアブダビでは通常よりも出力を最大50馬力落としていたと報じ、次のように付け加えている。
「レッドブルはメルセデスには出力を犠牲にする必要はないはずだと考えていた。だが、彼ら(メルセデス)はそうすることを望んだのだ。レッドブルとホンダはGPSデータからそれを確認したと言われている」
『f1-insider.com』はさらに、メルセデスはアブダビGPで2021年仕様マシンのために設計された新しいフロアを装着してテストを行っていたとも報じている。そのフロアは2020年型マシンのものよりもダウンフォースが削減されたものだと考えられている。
また、第16戦サヒールGPを新型コロナウイルス感染により欠場していたルイス・ハミルトン(メルセデス)は、アブダビでレース復帰した際には通常よりも4キログラムも体重が落ちていたという。
「それら全てによってメルセデスは通常のラップよりもコンマ5秒遅くなっていたんだ」
そう語ったレッドブル・ホンダの関係者は次のように付け加えた。
「彼ら(メルセデス)は(2021年の)最初のテストで再び反撃するために我々を安心させておきたかったんだ。シーズンがスタートしたときに全てのライバルたちにショックを与えるためにね。実際のところ、彼らは毎年そうしているよ」
レッドブル首脳のひとりであるヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)も、2020年の最終戦ではメルセデスが意図的にパフォーマンスを落としていたのは間違いないと考えている。
「メルセデスがペースを落としていたのは分かっているよ」
そう述べた77歳のマルコは次のように付け加えた。
「それゆえ、我々はペースを緩めることなく開発を続けていくよ。我々は彼らに追い付く必要があるからね」