カルロス・サインツが2023年以降もフェラーリで走ることを目指しているのは間違いないようだ。
2015年にトロロッソ(現アルファタウリ)でF1デビューを飾ったサインツは、2017年シーズンの途中でルノーに移籍。そして2019年から今年にかけてはマクラーレンのドライバーを務めてきた。
スペイン出身ドライバーであるサインツは2021年からはセバスチャン・ベッテルの後任としてフェラーリで走ることになる。だが、その契約は2022年までの2年間となっている。
「僕たちの共通目標はこの2年間を成功させることだ」
シート合わせのためにイタリアのマラネロにあるフェラーリのファクトリーを初めて訪れたサインツはそう語ると次のように付け加えた。
「僕は満了期日なしでフェラーリに行くよ。でも全員の最初の目標は2年間を正しい方向に進む年にすることだ。いい循環をつくりたいと思っている」
サインツのフェラーリでのチームメートはもちろんシャルル・ルクレールだ。4回F1チャンピオンとなった実績を持つベッテルを凌駕するパフォーマンスを見せたルクレールはマクラーレンでチームメートだったランド・ノリスよりかなり手強いチームメートになると考えられている。
「ランドよりももっと真剣になり口数を少なくすることはそれほど難しくはないよ。そういう意味では彼(ルクレール)は僕に近いかな」
微笑みを浮かべながらそう語ったサインツは次のように続けた。
「だけど、きっと僕たちは楽しく過ごすことができるはずだよ」
「僕が結んだ契約がどういうものなのかはすごくよく分かっていたよ。フェラーリはどちらのドライバーにも同じ処遇をすると保証している。だから、実際のところマッティア・ビノット(フェラーリ/チーム代表)にはそれを強調する必要などなかったんだ」
「僕はチームを再びトップの位置に持っていくためにフェラーリに行くわけだし、自分のチームメートも含めてライバルたちを置き去りにするつもりだよ」
だが、サインツにとって不安があるとすれば、フェラーリが来年ハースでF1デビューするミック・シューマッハを2023年に自分たちのドライバーに据えるという青写真を描いている可能性があることだ。
それを裏付けるように、ビノットが最近シューマッハは少なくとも2年間はハースで走ることが必要だとのコメントを行っている。かつてフェラーリに黄金期をもたらしたミハエル・シューマッハの息子がハースで一定の実績をあげれば、2023年にフェラーリがシューマッハ起用に踏み切る可能性も十分にありそうだ。
そうなった場合、シートを失うのはすでに2024年までの契約を結んでいるルクレールではなく、サインツの方ということになってしまうだろう。
そのことについて質問されたサインツは次のように答えている。
「それは目にしていないけれど、僕には関係のないことだし、気にもしていないよ」