メルセデスF1チームを率いるトト・ヴォルフ(チームCEO)が、通算7回F1チャンピオンとなったルイス・ハミルトンとの2021年以降の契約は遅くとも来年のシーズン前テストまでには結ぶことになると語った。
最近、イギリスに本拠を構える世界的化学メーカーのイネオス(INEOS)、メルセデスの親会社であるダイムラー、そしてヴォルフがそれぞれメルセデスF1チームの株式を3分の1ずつ保有する新オーナー体制が整えられたことが明らかとなった。
ヴォルフもこの新体制のもとでチームCEOと代表職を3年間延長する契約を結んだことが明らかとなっている。
2021年以降のオーナー体制が落ち着いたことで、メルセデスF1チームに残された課題は今年で契約が切れるルイス・ハミルトンとの新契約締結ということになる。
だが、ハミルトンによれば新契約締結に向けた交渉すらまだ現時点ではスタートしていないという。
ヴォルフはハミルトンとの契約について質問を受けると次のように語った。
「遅かれ早かれ結ばれるよ。遅くともテスト(2020年3月初旬にバルセロナで行われる公式シーズン前テスト)が始まる前までにはね。我々は期限など定めていないんだ」
「ルイスはこの世代における最高のレーシングドライバーだ。そして我々には最高のマシンがある。我々には個人的な関係もあるが、もちろんそれもお互いにとって有益だよ。我々はお互いに必要としあっているんだ」
「我々に必要なのはボタンを押すことだけさ」
メルセデスF1チームの株式33.3パーセントを取得したイネオスのジム・ラットクリフ会長は、自分はハミルトンとの交渉にかかわるつもりはなく、そうした決定はヴォルフに委ねることになると語り、次のように続けた。
「だが、彼(ハミルトン)の技量に衰えが見られないのは確かだ。35歳になったとは言え、彼は今でも絶頂期にいるよ。それが変化する兆しは何もない」
ダイムラー会長のオラ・シャレニウスも次のように語っている。
「我々はこのパートナーシップを継続したいと思っているし、それをとりまとめる役割を担うのはトトだよ」
一方、株主としてはダイムラーとイネオスと同等の立場にあるヴォルフは、このほど3年契約を結んだことが伝えられたものの、それはあくまでも手続き上のことにしか過ぎないと主張している。
「3年の契約というのは誤解だよ。私は3年はやると約束したわけではない。私は人生をかけると誓約しているんだ」
そう語った48歳のヴォルフは次のように付け加えた。
「チーム代表という私の役割には関係なく、我々は3つのパートナーだ。メルセデスは私の命なんだ」