フィンランドのF1解説者が、メルセデスがバルテリ・ボッタスの2021年の契約を破棄してジョージ・ラッセル(ウィリアムズ)をルイス・ハミルトンのチームメートに据えるのは難しいだろうとの見解を示している。
先週末に行われた2020年F1第16戦サヒールGPでは新型コロナウイルスに感染したハミルトンの代役として出場したラッセルが素晴らしいパフォーマンスを発揮。これにより、メルセデスは2021年にボッタスではなくラッセルを起用する可能性が高いのではないかとのうわさがささやかれるようになっている。
ミハエル・シューマッハの弟であり、自身も元F1ドライバーのラルフ・シューマッハは母国のテレビ局『Sky Deutschland(スカイ・ドイツ)』に次のように語った。
「今週末(F1最終戦アブダビGP/13日決勝)も再びラッセルが走り、ボッタスよりもいいパフォーマンスを見せれば、ボッタスはそこで終わりだよ」
「トト・ヴォルフ(メルセデス/チーム代表)はインタビューの中で明らかにボッタスには満足できていないと言っていた。だからあのフィンランド人(ボッタス)が来年またメルセデスのクルマに戻って来られるとは思わないよ」
この件に関しては、最近少し興味深いことが明らかになっている。
それは、ボッタスのインスタグラムのプロフィールから“メルセデス”という語が削除され、単に「バルテリ・ボッタス ドライバー」と書き換えられているのだ。
同様に、ラッセルのプロフィールからも“ウィリアムズ”という語が削除され、「ジョージ・ラッセル F1ドライバー」だけに変わっている。
また、メルセデスの公式インスタグラムのプロフィールも“Mercedes-AMG Petronas F1 Team”と変えられているが、そこには「これはインスタグラムの紹介文に過ぎない。考えすぎないようにね」と書かれ、ウインクした顔文字が添えられている。
ともあれ、こうしたことからもメルセデスは2021年にはボッタスに替えてラッセルを起用することを決めたのではないかとのうわさがささやかれ始めている。そうしたうわさの中には、2021年にはメルセデスとウィリアムズの間でボッタスとラッセルを交換することになるのではないかというものもあるようだ。
2016年にF1チャンピオンとなったニコ・ロズベルグが突然F1から引退したことで急遽ウィリアムズからメルセデスに引き抜かれた経験を持つボッタスだが、今年はそれとは逆に突然の古巣復帰決定ということになる可能性も否定はできないかもしれない。
だが、ボッタスの母国フィンランドのテレビ局『C More(セイ・モレ)』でF1解説者を務めるニキ・ユーセラは、実際にメルセデスが2021年にボッタスを若いラッセルと交替させることは考えにくいと次のように語っている
「ハミルトンの手には切り札がある。彼はもう1台のメルセデスF1マシンに乗るドライバーに関して大きな影響力を持っているんだ」
現時点ではまだメルセデスと2021年の契約を結んでいないハミルトンだが、かつてロズベルグと熾烈なチーム内バトルを繰り広げた経験を持つハミルトンはボッタスを理想的なナンバー2ドライバーだと考えていると言われている。