FIA F2最終戦サヒール(バーレーン・インターナショナル・サーキット)レース2のスプリントレース(34周)が行われた。
ホンダとレッドブルの育成ドライバーになっている角田裕毅(Carlin)は、前日のレース1で優勝したためリバースグリッドの8番グリッドからスタート。オープニングラップの混乱で12番手まで落としたものの着実に順位を上げていき、力強くも冷静な走りで2位表彰台を獲得した。
角田裕毅はレース後インタビューで「信じられない。年間そしてF4からF2までキャリアを通してサポートをしてくれたホンダやレッドブルなどたくさんの人たちに大変感謝しています」と感謝を述べた。
そして、いまや世界中が注目しているF1へのステップアップのアナウンスはいつあるの?という質問に対して、角田は笑いながら「分からないけど、F1昇格についてはレッドブルが発表するだろうし、来年、鈴鹿で日本のファンの前で走れることを楽しみにしています」とF1昇格はレッドブルの発表待ちになっていることを述べた。
■ミック・シューマッハがチャンピオン
2020年のチャンピオンは、ミック・シューマッハが獲得した。
ランキングリーダーのミック・シューマッハは、3番グリッドからスタートしたものの、序盤にタイヤをロックさせてフラットスポットを作ってしまったことからバイブレーションが発生。それをかばうように走っていると今度はリアもダメになり、「ピットに入る事は悩んだけど、チームと決めた」と34周のスプリントレースで20周目に緊急ピットイン。20番手に落ちた。
ここでランキング2位のカラム・アイロットが優勝すれば大逆転チャンピオン獲得となる場面だ。中団に埋もれたミック・シューマッハも「(1ポイント加点される)8位に入れる?」と無線で聞くが、チームは「気にするな、カラムはもうタイヤがダメだ」と伝える。アイロットも序盤の激しい戦いでタイヤを使いすぎてしまい、ズルズルと順位を落として結局7位でフィニッシュした。
これでミック・シューマッハは、ミハエル・シューマッハの息子という事だけではなく、F2チャンピオンという称号を手に入れ、名実ともに来季はハースでF1キャリアをスタートさせることになる。また、ランキング5位に終わったニキータ・マゼピンも同じハースF1に加入することが発表されている。
チャンピオン獲得について「この瞬間に少し圧倒されているからチャンピオンを受け入れるのに何日かかかるだろう。ただただすごく幸せだし、感謝しているよ!」とチーム及び多くのスポンサーやサポーターに感謝した。
またミック・シューマッハは、ランキング2位のカラム・アイロットに「カラムは僕に走るための原動力を与えてくれた。タフだったけど同時に楽しかった。彼にとても感謝しているよ」と最大のライバルであり同じフェラーリ・アカデミーの仲間を労った。そのアイロットは来季の予定は決まっておらず、F2で走るチャンスもなさそうで、F1に関われるよう交渉中だということで、最悪の場合、浪人生活になる可能性もあるという。
■F2最終ランキング
1 215p ミック・シューマッハ(来季ハースF1)
2 201p カラム・アイロット
3 200p 角田裕毅(来季アルファタウリ・ホンダ/未発表)
4 177p ロバート・シュワルツマン
5 164p ニキータ・マゼピン(来季ハースF1)
角田裕毅が出場して大活躍をしたF2は、DAZNで配信している。
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