かつてミナルディやMF1レーシングで活躍した元F1ドライバーのクリスチャン・アルバースは、レッドブルが来季アレクサンダー・アルボンに替えてセルジオ・ペレス(現レーシングポイント)を起用する可能性も高いのではないかと考えている。
2019年シーズン後半からレッドブルでマックス・フェルスタッペンのチームメートを務めているタイ国籍ドライバーのアルボンだが、2020年は不振が続いており、今シーズン限りでシートを失うことになるだろうという見方が強い。
そして、2021年にアルボンの後任を務めるドライバーに関しては、現在のうわさでは今年レーシングポイントから3レースに出走して素晴らしいパフォーマンスを見せたニコ・ヒュルケンベルグが最有力候補ではないかとうわさされている。
これには、フェルスタッペンがヒュルケンベルグはいいチームメートになるだろうと語ったことなども影響しているようだ。
しかし、レッドブルが今季限りでレーシングポイントのシートを失うことが確定しているメキシコ人ドライバーのペレスの方を選ぶことも十分にありえると考えているのがフェルスタッペンと同じオランダ出身のアルバースだ。
「私は、それ(ヒュルケンベルグ起用)は間違いだと思っているよ」
母国オランダの『De Telegraaf(テレグラーフ)』にそう語ったアルバースは次のように付け加えた。
「レッドブルはすぐにエンジン問題に取り組むことになるが、そのコストは非常に大きいものになるだろう」
アルバースが言及した“エンジン問題”とは、ホンダが2021年シーズンをもってF1活動から撤退することを受け、レッドブルではそのホンダF1エンジンの知的財産権を買い取って自分たちでエンジン製造を続ける計画をしていることだ。
つまり、アルバースは、レッドブルはその費用を捻出するために潤沢なスポンサー資金持ち込みが可能となるペレスを選択する可能性の方が高いと考えているわけだ。
「ロバート・ドーンボスのことを思い出してみればいい。彼は2006年に何レースかに出走するために1200万ドル(現在のレートで約12億4000万円)を支払っていたと思う。レッドブルが金を必要としていないと言うのは間違っていると私は思うよ」
2006年シーズン終盤にレッドブルから3レースに出走したオランダ人ドライバーのドーンボスをひきあいに出したアルバースは次のように付け加えた。
「彼らはルノーエンジンを使うために2500万ドル(約25億9000万円)を支払っていた。そしてその後彼らはホンダからエンジンの無料供給に加えてスポンサー料も得ていたんだ。だから、それらを失うことになるのは彼らにとっては問題だよ」
しかし、ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は、あるF1チームの代表が次のように語ったと報じ、実際にペレスがチームに持ち込むことができる金額は考えられているほど多額ではないようだとしている。
「(スポンサー料の)合計からペレスの報酬を控除すれば、実際に得られるのは300万ドル(約3億1000万円)だ。そしてそのためにクルマ全体にメキシコのスポンサーのロゴが飾られることになるんだ」